校長ブログ

EdTechによるアダプティブ・ラーニング

2021.04.24 EdTech教育

4月24日

 学習指導要領の改訂、大学入試改革、英語教育改革、探究教育、プログラミング教育、高大接続など、目まぐるしいまでの環境変化の中、EdTech(エドテック)という造語が定着しつつあります。これは、Education(教育)とTechnology(テクノロジー)という語を組み合わせたもので、教育界にイノベーションを起こすトレンドとして注目を集めています。環境さえ整えば、効率的な時間の使い方によって学びの可能性を拡げることができるだけでなく、教育格差の是正や生涯学習にも寄与します。 

 歴史的に見れば、EdTech以前はeラーニングが主流でした。これはインターネットを介して、机上に置かれたパソコンを利用して、時間や場所にとらわれず、何回でも視聴できるのがメリット。しかし、学習ツールの進歩は日進月歩、スマートフォンやタブレットの登場により、今や手元での学習が可能になりました。

 EdTechの事例としては、2012年に米国で始まったMOOC(ムーク)があります。これはインターネットを通じて有名大学の講義を無料受講でき、一定のレベルに達すれば修了証がもらえるという仕組み。モンゴルの15歳の少年が優秀な成績を修め、学費免除でMIT(マサチューセッツ工科大)に進学したのは有名な話です。

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 経済産業省は、人間がAIと共存していく社会で必要となる能力をチェンジ・メーカー(未来を創る当事者)と定義し、アダプティブ・ラーニング(個別最適学習)、STEAM教育等を推奨、社会課題の解決をテーマ化し、学びのシステムの環境づくりとして「未来の教室」を進めています。

 背景にあるのは、グローバル社会のダイバーシティを受け入れ、正解が一つでない課題に対して、"しなやかな"感性でソリューションを導き出せるコンピテンシー(成果につながる行動特性)の育成です。中高生にとって必要とされるリテラシーは、実社会に直結する文理の壁を超えた、教科横断的な背景知識に基づく日本語と英語の表現力、数学、データサイエンス、情報科学等だと考えられています。

 その習熟のためには教育の情報化が不可欠であり、ツールとなるICTが新たな学びを開くことは自明です。今、学校現場に必要なのは、生徒一人ひとりの主体的な学びをどう構築するかという「学び方改革」、また、それを達成するためにどのようなカリキュラムを組んで指導するかという「教え方改革」、そして、その成果を個別のみならず全体でどう評価するかという「カリキュラム・マネジメント」なのです。

 ICTを活用したアダプティブ・ラーニングは、生徒個々の誤答分析や学習履歴を蓄積することで、到達度に応じたオーダーメイドの学習内容を提供してくれます。ICT活用は時代の潮流、学習者自律(Learner Autonomy)の基盤であり、建学の精神である「自学自習」と合致します。効果を上げるためには、教育プログラムを単にデジタル化した「知識学習」とするだけでは不十分であり、学習進捗状況を一元管理し、「経験学習」ができるLMS (Learning Management System)システムを構築することが不可欠です。LMSは、インターネット上で教材を配信したり、学習履歴を管理するためのプラットフォーム。内容的には、ログインして学習する受講機能と教員や管理者が管理・運営を行う管理機能から成り立っています。

 本校では、各教科の背景知識を強化する従来の指導に加えて、課題発見・解決への探究・プロジェクト型学習(PBL)を融合し、多様な「学びの選択」を実現していきます。