校長ブログ

放送による全校集会

2021.05.26 学校生活
5月26日

 新型コロナウイルス感染症拡大のリスクがあるため、25日の全校集会は放送を通じて行いました。以下、校長講話からの抜粋です。

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 今、教育界は学習指導要領の改訂に伴うカリキュラム再編や大学入試改革など、変革期のまっただ中です。本校では、「山手ルネサンス」をキャッチフレーズに、未来志向型リーダーシップ、つまり、予測できない社会の中で、グローバルな視点に立ち、積極的な社会・他者への貢献に喜びを感じる心優しい女性を育成するために、"学びの選択"を導入し、探究教育、英語教育、ICT教育、音楽教育、中高大の連携教育、クラブ活動等に力を入れ、生徒一人ひとりの夢を実現させるべく、邁進しています。

 本校の進路指導方針は、「進路満足度100%」へのアプローチです。学校生活を通じて、生徒一人ひとりのポテンシャルを最大限に引き出し、"学力の伸び"を実感させる指導を展開した上で、現状の学力に満足することなく、より高い志をもたせ、本当に進みたいと思う進路先を探究、自己実現させることです。

 今年から学院・学校方針の下、学年、教科、分掌で重点課題を設定し、生徒・保護者・教職員による学校評価を年2回行います。全教職員も、生徒諸君同様、「地域に開かれた、明るく、楽しい学校」の構築に向けてPDCAサイクルを回し、成果の"見える化″に努めます

 今日は、各学年の目標を紹介させていただきます。建学の精神の「情操陶冶」に相当します。

 本校の目標は、中学全体、高校全体の学期ごとの大テーマと各学年の学期ごとの小テーマに分かれます。各クラスは学年の小テーマに基づき、クラスの目標を設定していただくことになります。本日は中学・高校それぞれの大テーマについてお話します。

 中学全体の1学期の大テーマは、「"お蔭様で"という感謝の気持ちを忘れず、常に自分を律し、平凡なことをやり続ける姿勢を養う」です。高校全体の1学期の大テーマは、「個別最適学習(アダプティブ・ラーニング)への習熟を通じて、得意分野を最大限に伸ばし、苦手分野を積み残さない取り組みを実践する」です。  

 中1は、生活リズムをつくり、新しい友達をつくり、新しい自分を発見する努力をして学校を楽しんでください。また、どの科目も積み残しをせず、わからない問題はその日のうちに解決してください。

 中2は、"中だるみ"になりがちな時期ですから、PDCAサイクルを定着させましょう。また、得意教科を伸ばし、苦手科目の積み残しを解消する習慣をつけてください。

 中3は、最高学年を意識して、後輩のお手本となる行動をしてください。また、中学3年間の学習内容を完全にマスターする努力をすること。そして、なりたい自分になるための情報を積極的に集めていただくことをお願いします。

 高1は、今後、社会がどうなっていくか研究し、"なりたい自分"を見つけること、そして、学習内容を完全にマスターできるPDCAサイクルをつくることです。建学の精神である「自学自習」を思い出してください。「探究」の時間では"最適解"を見つける思考力、判断力、表現力を養いましょう。また、グローバル時代に対応するコミュニケーション・ツールとしての英語4技能に習熟してください。

 高2は、なりたい自分になるための進路研究を進め、卒業後の自分をイメージしておきましょう。中だるみに注意し、日頃の学習内容は完全にマスターできるようPDCAサイクルを精査することは言うまでもありません。「大学入学共通テスト」をはじめとする大学入試は、高1~2の教科書内容から大半が出題されます。大切なのは、積み残しをしないこと、苦手教科をつくらないことです。平常授業は基礎・基本の定着、受験対策は「アドバンスト講習」等を利用して、教科間とのバランスを配慮した「自学自習」を実践してください。

 高3は、自分を信じて、弱気にならず、最後まで諦めないことが基本線。受験先が決まれば、入試日程から"逆算"した受験計画を立て、1日1日を大切にし、粘り強く取り組むことを大前提に、過去問研究による傾向と対策を徹底してください。

 今年から大学入試の名称が「一般入試→一般選抜」「AO入試→総合型選抜」「推薦入試→学校推薦型選抜」に変わりました。新しい入試で求められるのは「学力の三要素」と言われる① 知識・技能、② 思考力、判断力、表現力、③ 主体性です。「知識・技能」と「思考力、判断力、表現力」は筆記試験が想定されますが、「主体性」についてはこれまでAO・推薦入試で評価されていたものが、一般選抜でも志望理由書や活動報告書等を作成させ、高校の調査書を活用する方向性となっています。ポイントとなるのが、経験から何を学んだか、さらに言うと、自分がやりたいこと、一生懸命打ち込めることを見つけ、たとえ失敗しても何を学んだのかを自分の言葉で伝えられることです。形式としては、主体性のある経験を出願時に記入させ参考にしたり、調査書や志望理由書の評価を加味したりといったことが考えられますが、HPで方針を明示している大学が多いので調べておきましょう。

 私大の指定校推薦は資料が揃い次第、高3全クラスに公表し、更新していくので、受験勉強を回避するのではなく、本当に自分が専攻したい分野がある場合は、担任とよく相談してから応募してください。

 繰り返しますが、本校の指導方針は、現状の学力で合格できる大学に甘んじることなく、生徒個々のポテンシャルを最大限の伸ばす自律学習をサポートした上で、より高い志望をもたせ、将来、社会に役立つスキルを身につけるのに最適だと思う、本当に入りたいと思う進路希望先へと導くことです。高3生諸君は、自分は何のために生きるのかという問いに正面から向き合い、将来の夢や志を探究することこそが、進路実現に向けて努力するための原動力になることを忘れないでください。「チーム濱名山手」が全力で支えさせていただきます。

 新型コロナウイルス感染症拡大というアゲインストの風が吹いていますが、自分自身の目標をしっかりもって、未来に視線をあてて、頑張っていきましょう。まとめるにあたり、「人生とは自分を見つけることではなく、自分を創ること」というバーナード・ショーの言葉を贈ります。