校長ブログ

AIロボット

2021.06.28 トレンド情報
6月28

 日本は、世界でも産業用ロボット大国として認知され、発展してきましたが、主たる分野は自動車業界でした。また、製造業界では、工場自動化の利点を活かしてロボットを活用し、生産性向上、競争力強化と雇用条件の改善につなげてきました。現在、 AIの進展によって、ロボットが自ら学び、様々な問題解決を可能とする時代が到来。今や、ロボットは、工場だけでなく、様々な領域、例えば、医療や金融等にまで進出し、「働き方改革」に大きく貢献する存在となっているのです。

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 AIロボットとは、自動で動く機械とは違い、人工知能的ソフトウェアによって制御されるロボットのこと。まだ、人間に比肩するほどではないものの、研究成果は日進月歩です。ファミリーレストランでは配膳ロボットが料理を並べ、食器を運ぶ。ホテルでは、人型ロボットが受け付け業務を行い、床掃除や窓吹きするといった光景も想定されるようになりました。家庭用AIスピーカーも実用化され、文書作成業務も人の作業を手助けしてくれるようになり始めています。これは、AIの中核技術であるディープ・ラーニング(深層学習)をとり入れた成果です。 

 AIスピーカーは、音声認識技術を駆使し、理解した内容に対して、適切な答えを音声で返すというもの。対話型ロボットの開発では、音声認識及び合成の精度を高め、人間らしい対話内容にするという命題と向き合っています。音声認識は、機械を操作する際の問題を研究するマン・マシン・インターフェース領域の一つ。人の音声を理解する仕組みの研究から音声の波形を数値化したり、文字に復元する精度を高める研究まで様々なレベルでの取り組みが行われています。

 ロボット市場規模の拡大が予想される中、ロボット工学のさらなる成長が見込まれています。変容を遂げたのは、ロボット本体ではなく、ロボットの知能。それが用途拡大の原動力になっているのです。高性能の小型カメラやセンサー、データを瞬時に処理するAI、複数のロボットでもあらゆるモノがネットにつながるIotの発展等、ロボットの高度な知能を応用できる範囲が広がっています。

 ロボットが人間の知能を超えるシンギュラリティが2045年に到来、人間の仕事をロボットが奪ってしまうのではないかとさえ言われています。「働き方改革」の中、問われる真価は、そのようなロボットをいかに活かすかという人間の独創性に他なりませんが、教育現場が率先垂範しなければならないと思っております。