校長ブログ

リーディング対策ー記述問題ー

2021.06.21 教科研究
6月21日

 英語リーディングの記述問題と言えば、this that などに下線があり、日本語で説明させるケースが多いのが実態です。答となる指示内容は、ふつう、下線部からそれほど遠くないところに書かれています。まずは、下線部のある文の意味を把握し、その中に指示する内容がないかどうか確認した後、前にさかのぼり、同意表現となる対応部分をさがすという手順が基本。以下に要点をまとめます。

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・指示する内容が単数/複数、人/物かを特定し、その語から条件があてはまる語句が出てくるまでさかもどる。(途中で同じ指示語があれば、その内容はさらに前にある)

thisthatitなど、前に出てきた語句(前方照応語句)は、前文内容、もしくは単数名詞を想定する。

it が後に出てきた語句(後方照応語句)を指す場合とは、形式主語(または形式目的語)になる不定詞、動名詞、that 節、whether 節、WH -節などが後続する場合である。

one は前述の「a+単数名詞」、ones は前述の複数名詞を想定する。

that+名詞+that 節のように、初めて出てくる名詞の前にある the (thatthose) は、情報予告のマーカー(目印)になるだけであり、その自体は意味は持たない。 

 内容説明も指示語説明と同じくらいよく出題されています。下線部を含む内容を把握し、対応部分を特定、答案は「〜こと」でまとめるのが正攻法です。これは、難度の高い語句をパラフレーズ(言い換え、書き換え)する設問の処理にも役立ちます。

 理由説明の場合は、下線部を含む文の意味を把握し、対応部分を特定 した上で、「~から/~のため」とまとめます。また、対比的内容を説明する問題の場合は、「前者は~,後者は~」のように、二項対立関係がわかるような答案を作成してください。同意表現を抜き出す問題では、キーワードの言い換えに注意し、「最初と最後を抜き出しなさい」「すべて抜き出しなさい」等、設問の要求に応じた答案を作成することをお忘れなく!

 多くの生徒が記述の要約問題を苦手としています。特に、論説文では、キーワードを通してパラグラフ間のつながり(結束性)を把握し、テーマと筆者の主張、さらには論拠をまとめるのが解法の鉄則です。字数制限がある場合は、指定字数の9割は記述してください。次の点もチェックしておきましょう。

・テーマ、筆者の主張とその論拠(具体説明)を明確にする。(主題文は、ふつう、第1パラグラフか最終パラグラフのどちらかにまとめられる)

・対比の関係は要約に入れる。

・筆者の主張の言い換え、反復、要約しきれないような具体例、比喩、引用は要約に入れない。

・最後のマスメに句点以外を書かない。また、句読点を1字とする場合は、マスメの中に文字と句読点の両方を書かない。 

・(  )で答案を書き換えたり、まぎらわしい語句を入れたり、入れ換えのマークで余計な語句を書かない。

 近年、出題率が大幅に下がってきた下線部訳の場合、未知語を類推、文の修飾関係を明らかにし、文構造に忠実で自然な和訳を心がけましょう。なお、辞書の訳語にとらわれすぎず、つながりを重視した訳をすることが大切です。答案作成のポイントをまとめます。

・未知語は言い換え、対比関係、因果関係、接頭辞、接尾辞、派生語、一般常識などを活用し類推する。どうしても処理できない場合、そこを省いて前後をつなぎあわせることによって部分点をねらう。

・(  )による解答の言い換え、外来語や英語のスペリングの不用意な使用は不可、カタカナはできるだけ使わない。

・省略がある場合は、ある程度、補って訳す。

・無生物主語は副詞的に訳す。

・名詞構文は動詞化するなど状況に応じて自然な和訳にする。

if 節のない仮定法は、条件部分を明確にする。

・関係詞節が長い場合、文意が変わらない限り訳し下げてもよい。