校長ブログ

デジタルツイン

2021.07.28 トレンド情報
7月28

 最近、デジタルツインの活用が進んでいます。意味は「デジタルの双子」になりますが、これは現実世界の多様なデータを分析、デジタル空間に再現させて、双子のように連動させる仕組みのこと。当然、シミュレーションがしやすくなり、開発期間の短縮など、様々な効果が期待できます。そこにはAIやあらゆるモノがネットにつながるIoTなども活用されています。マーケッツ・アンド・マーケッツ(米)は、デジタルツインの規模が2025年には2019年の9倍にあたる358億ドル(約4兆円)になり、自動車や航空・医療関係が牽引すると想定しています。

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 デジタルツインの歴史は、1970年、アポロ13号の月面探査プロジェクトに遡り、宇宙飛行中に酸素タンクが爆発して危険な状態に陥った場合を想定して、シミュレーションを実施、帰還につなげたそうです。

 海外では、ドイツのベルリン、フィンランドのヘルシンキ、シンガポールなどのデジタルツインが進んでいます。日本では阪神大震災(1995)を機に防災への応用が期待されています。国交省は全国56都市の約1万平方キロメートルにわたって整備し、自治体や企業等と連携、実証実験を進めています。

 例えば、静岡県が推進する「バーチャル静岡」では、航空機や自動車に機器を搭載、地表面や建物などを点の集まりとして表現する「3次元点群データ」を集めています。これで南海トラフ巨大地震の津波浸水シミュレーションが可能になり、リアルな疑似体験ができるそうです。

 東京や大阪でもよく似た都市が仮想空間に誕生しています。現実世界では難しい出来事まで再現できるデジタルツインによって様々な災害を疑似体験が可能になり、防災に備えるなど活用が広がり、国土交通省は、誰も怪我することなく、安全に避難することを目的に避難訓練のシュミレーションを行なっているとのこと。

 現実世界の様々なデータをデジタルツインに入れて再現することでPDCAサイクルを早く回せます。交通渋滞の解消、インフラやエネルギーの管理などに生かせ、スマートシティーの実現に近づき、未来都市の将来構想が可能になるのです。