校長ブログ

データエコノミーの時代

2021.07.30 トレンド情報
7月30

 現代は、データエコノミーと言われる時代であり、あらゆる情報価値をAIやグローバルベースのビッグデータを活用して数字で表す傾向が強くなりつつあります。今や日常生活にはICTが浸透しており、デジタル社会への変貌が世界の難題を解決し、人類の幸福に寄与することが期待されています。日本でも、銀行や病院などのパーソナルデータや産業データが流通することにより、地域活性化や国際競争力の向上につながることが望まれており、データエコノミーに向けて着実に動き始めています。

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 AIで個々の信頼度を測定するスコアリングという技術によれば、2030年までに5.4億人が「バーチャルスラム」に陥ると予測されています。これは1564歳のうち6人に1人が貧困状態にあることを意味します。結果、個別スコアが多くの分野で共有され、スコアの低い人は就職もままならず、そこから抜け出せない格差問題を生み出すことにもなりかねません。WFP(国連世界食糧計画)は、難民支援策として、61カ国3,000万人以上のデータをもとに、学歴や職歴などを逃れた先に持ち出せる取り組みを検討していますが、克服しなければならない諸問題が山積しています。

 世界銀行によれば、現在、銀行口座を持たない人は約17億人。口座を保有していない国は、中国、インド、パキスタン、ナイジェリア、バングラディシュ、ブラジル等の発展途上国だそうです。しかし、分散型台帳技術(ネットワーク)とも言えるブロックチェーン技術によるデジタル決済が普及すれば、そうした地域に住む人々の金融サービスへのアクセスは容易なものになります。当然、デジタル化の恩恵を受けるにはICT機器を的確に操作し、情報を取捨選択、情報の安全を確保するITリテラシーが必要となりますが...

 ICTの進展により日常生活がかなり便利になっていく一方、ICT機器に触れる機会があまりなく、ICTリテラシーへの認識が低ければデジタル化の波に乗り遅れてしまう危険性があります。かつては、ICT機器がなくても、地域や職場コミュニティを通じて、人々は容易につながりあうことができました。しかし、非正規雇用者が増え、現在の職場コミュニティは弱体化の一途をたどっています。そのため、必要な支援を得た生活の改善に向けて、最低限のITリテラシーを身につけておくことが大切です。

 若者にとって、ITリテラシーは、各自の強みを活かしたスキルアップ、中高年にとっては、これまでの経験を活かしたビジネスチャンスの創造と複雑な業務への対応、高齢者にとっては、日常生活の維持・向上、自立のために不可欠なものとなっています。本校でも社会情勢をにらみつつ、時代に即応する ICT化を進めていきたいと思います。