校長ブログ

授業満足度調査の活用

2021.11.04 カリキュラム・マネジメント
11月4日

 本校では今年から学校評価と授業満足度調査を年2回実施しています。教師だけでなく、学校全体としての振り返りを行い、課題を抽出、改善に向けて、PDCAサイクルを回していける体制にし、カリキュラム・マネジメントを実践していくためです。

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Y先生: 先日、授業満足度調査の結果が返ってきました。思っていたほどの結果でなく、少しがっかりしています。自分なりには頑張ったつもりなのですが... 当然、しっかり振り返りをして対策を立てますが、教師になってまだ3年目なので戸惑いもあります。

校長:授業満足度調査は、授業のダメ出しをするのが目的ではなく、教師が生徒たちの反応を分析して、到達度と照合しつつ、改善に向けて、どのようなアクションを起こすのかという前向きな姿勢を持ってもらうために行うものだよ。つまり、PDCAサイクルにつながるものということかな。結果の良し悪しに一喜一憂する必要はなく、授業を見直し、自分の授業が生徒からどのように受け止められているか確認しながら質を高める努力をすることだね。

Y先生: はい。改善に向けて具体策を立てる際のヒントをお願いします。

校長:教師の役割は生徒の育成責任、つまり、社会で役立つ知力・徳力・体力をつけること。そのためには日々の「授業がすべて」だよ。ハロー効果、寛大化傾向になっていないか留意しつつ、客観的事実に基づく自己評価(メタ認知)を行い、今、教えている生徒たちにとってワンランク・アップの達成可能な目標を明示することが第一歩。同時に、授業の中だけでなく、授業外での予復習に関する個別最適化学習の在り方も検討して、生徒が「伸び」を実感できる環境づくりをすることが大命題だね。

Y先生: よくわかります。私の目標は、生徒の頭にスッと入るような授業、面白いと思ってくれるような授業ができるようになることです。

校長:そのためには、評判のよい授業を見学し、ノウハウを学ぶ。公開授業で授業を見てもらい、助言をもらう。他校での成功事例を積極的に取り入れる。同僚性を発揮して、教材を共同開発する等を試みた上で、学校というチームの中でオリジナリティ溢れる授業ができるよう、積極的にティーチング・スキルを磨くチャレンジ精神が求められるところだね。

Y先生:やってみます。生徒のやる気を引き出すにはどのような取り組みが考えられるのでしょうか?

校長:しっかりした考えを確立し、自分の言葉で、自信をもって語ることが基本。生徒にはあらゆる機会を通じて授業方針(学習内容と身につけさせたい力)やそれをすることで「何ができるようになるか」を繰り返し語りかけ、共に勉強するベクトルを合わせる配慮をすることによってクラス全体でステップ・アップしていける雰囲気を創り出すことが大切。また、成果をあげた生徒は皆の前で表彰する等、一人ひとりのモチベーションを高める工夫も忘れないようにね。そして、常に生徒の声に耳を傾け、生徒と一緒に「授業を創っていく」気持ちで取り組めば、結果は自ずとついてくるんじゃないかな。

Y先生: おっしゃる通りだと思います。元気をいただきました。自分にはまだまだ欠けている部分がたくさんありますが、校長先生がいつも言われるスモール・ステップを積み重ねていきたいと思います。引き続き、よろしくお願いします。