校長ブログ

良循環型の学校経営

2021.12.09 カリキュラム・マネジメント
12月9日

 今回は民間企業の経営者であるN氏との対談からです。  

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N氏:学校の組織は企業とは違い、"なべ蓋"と聞きましたが、それはどういうことなのですか?

校長:学校という組織は校長、事務局長、教頭といった管理職の下に教職員が横並びになっていて、それがいわゆる"なべ蓋"と言われる所以です。管理職以外の教員は皆、対等であり、その中で学年、教科、分掌に属し、それぞれの仕事を兼務しているのです。

N氏:それでは働き方改革に対応するのはたいへんですね。学年や教科は毎年、変わると思いますが、分掌は固定されているのですか?

校長:その傾向が強いですね。教員は皆、学年、教科、分掌、クラブになんらかの形で携わっていくわけですが、学校によって学年団が中心となるところ、分掌が中心となるところ、様々であり、それぞれ独自の文化を形成しているのです。

N氏:独自の文化はよいのですが、問題点も多いのではないですか?

校長:「学校の常識、社会の非常識」というシニカルな表現があるくらいですから。学年主体の場合、ノウハウの継承がなかなか進まず、極端な場合、学年の数だけ学校があると言われています。

N氏:役割分担がはっきりしている企業とは仕組みがまったく違いますね。学校によって事情は全く異なると思いますが、御校においてどのような体制づくりをされているのか聞きたくて、本日、参上した次第です。

校長:ありがとうございます。基本線は「生徒の成長を第一義とした効率よい学校経営」です。心構えとしては常に原点回帰のスピリッツで事を進め、組織ありきでなく、課題解決のための組織づくりをめざしています。メンバーも固定化しないよう配慮しています。

N氏:計画がしっかりしていれば、仕事の大半はできたのも同然ですよね。

校長:その意味で、まずは5WHをベースにした中期的な視点に立ち、到達目標と改善点を明確にします。次にヒト・モノ・カネといった経営資源をどれだけ投入するかを合意形成した上で新規事業に取り組み、具体的な個別目標を決め、行動計画に落とし込んでいくという流れです。

N氏:進捗状況はどのように管理されているのですか?

校長:基本的には進捗を見守り、衆知を集めて課題解決に挑み、PDCAサイクルの中で次の取り組みにつなげていけるよう方向づけします。

N氏:トップの姿勢は重要ですね。

校長:率先垂範がモットーですから。

N氏:それがカリキュラム・マネジメントと言われるものなのでしょうね?

校長:学校経営は「入口」「中身」「出口」がすべて。 「入口」とはビジョンにあった生徒確保、「中身」とは学力保障、「出口」とは進路保障です。この3つを整合させてはじめて成長戦略が成り立つのです。各自が部分最適をするのではなく、全体最適を追求できるように、「学校評価」や「第三者評価」も活用しながら日々の校務にあたっているというのが現状ですね。

N氏:御校への期待が高まっていると言われれる理由がよくわかりました。また、お話をお聞かせください。