校長ブログ

新コース立ち上げ特集⑯-ディクテーション

2022.07.22 グローバル教育
7月22日 

 ディクテーションとは、「書き取り」のこと。英語の学習では、いろいろなディクテーションのやり方が展開されています。

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 オーソドックスなものは教師が読み上げた英文を直接、聞いて書き取るケース。読み上げられた英文がすぐに理解できればよいのですが、現実はなかなかそうもいきません。

 そこで、教師はセンス・グループ、つまり、「意味のかたまり」ごとに区切って読み、文章の切れ目にポーズを置くなど、生徒の書き取りを可能にする時間を確保するといった工夫を重ねます。また、文章を読み終えた後、状況に応じて生徒が訂正や修正ができるようもう一度、全体を読み上げるなどの指導を組み込むこともあります。

 ディクテーションの採点は、通例、正確に書かれていれば1語1点として合計点を算出しますが、全体の語数が多いときには、【(全体の語数-誤りの数)➗全体の語数✖️100】で計算します。

 テキストにない余分な語が書いてあったり、語順に誤りがあれば減点対象としますが、スペリングの誤りは判読できれば原点しないといったような配慮も必要です。ディクテーションをテストの一環として行った場合は公正公平が原則ですが、授業の一環として行う場合はPardon?と聞き返したり、Excuse me.と繰り返しをリクエストすることを許可することもあります。

 お分かりのように、ディクテーションといっても生徒の到達度によってはバリエーションをつけるのがふつう。例えば、テキストの一部を(   )にしておき、書き取らせたり、数回、テキストを読み上げ、場合によっては途中で重要な語句を板書してヒントを与え、内容をできるだけ忠実に再現するディクトコンポ(dictocomp)と言われるやり方等々...。

 応用的なところでは、教師がテキストを2度読む中、生徒はポイントとなる語句を書き留め、それらを基に英文を再生するディクトグロス(dictogloss)などの手法が挙げらます。ディクトグロスでは、個別の作業が終わればペアで内容を比較し、相互補完しながらより正確な文章にします。さらに、グループワークで、よりまとまりのある、文法的に正確な文章にするといった協働的なアプローチを行います。

 「変わる!山手」をテーマにした本校の改革ですが、英語教育においてもさまざまな知見を参考に、個別最適化された学びと協働的な学びをブレンドした取り組みを展開していきます。