校長ブログ

中学スタディ・デイズ

2022.07.28 学校生活
7月28

 中学は、2729日、「Study Days」を行なっています。これは以前から実施されている全員参加の勉強会のこと。地道な努力が実力となることを肝に銘じておいてほしいものです。

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 新型コロナウイルスの危機は、経済の停滞や人口減、格差拡大や民主主義の動揺をもたらし、世界の様相を一変させました。IMF(国際通貨基金)によれば、先進国の成長率は1980年代以降、地盤沈下の一途。歴史的に見れば、産業革命は生産性を高め、19世紀以降、人口は10億、さらに20億と増え続けました。人口増は成長につながり、日本も高度経済成長を迎えたのは周知の通りです。しかし、コロナ危機は、成長の限界を世界に突きつけたとも言われるくらい大きな影響を及ぼしました。

 ウイルスが人の交わりを阻害し、結果、経済のデジタル化が加速したのも停滞の要因。豊かさを育む源泉がデータに移り、大量雇用を必要としなくなった企業が増えたため、一部の人材に富が集中、低成長と格差拡大が連鎖したというわけです。今、求められるのは、新たな着想の技術革新による生産性向上の土台となる教育です。

 日本の教育に目を向けると、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、GIGAスクール構想が前倒しされ、オンライン授業の導入が加速するなど、学校文化が変容しつつあります。国際競争力における低下を受けて、教育界にイノベーションを起こさなければならないとする経済産業省の「未来の教室」などはその一翼を担うと考えられます。学習指導要領に基づくカリキュラムは画一的であっても、生徒個々の到達度に応じた「個別最適」な学習指導が求められていくのは至極、当然の流れなのです。

 マッキンゼー・アンド・カンパニー(米)は、2030年までに日本で約30の業務がロボットやAIなどに代替される可能性を試算しています。労働力人口は減少するものの、自動化による業務の減少分を差し引き、新たに創出される雇用などを加えると150万人分の労働力が不足する計算になるとのこと。少子高齢化による働き手不足に悩む日本にとって、単調な繰り返しを要求するような仕事はロボットに任せ、生産性の高い仕事に人を配置できれば人手不足を補うだけでなく、全体の生産性が向上するはずです。

 デジタルトランスフォーメーションという言葉があります。これはテクノロジーの導入を通じて、サービスの在り方、従業員の働き方を変えることを意味しますが、AIが普及するデジタル社会が必要とするスキルは、正解が一つではない問題に取り組み、真の意味で考え抜く姿勢。その意味で、これまでの入試で問われ続けてきたような、インターネットで検索すればすぐに正解が出てくるような、暗記力重視の問題を処理するような次元ではなく、知識の活用力が今後、求められる力です。本校の教育実践もその方向にベクトルを合わせています。

[参考]コクヨの調査では、勉強方法等の情報収集先として「動画サイト」を挙げる中高生が多いとのこと。情報収集を「頻繁」もしくは「時々」と答えた生徒は全体の約半数。「動画サイト」に続くのは「学校や塾の先生」、「ネット検索」です。因みに、「学習計画を立てることができている」と答えた生徒は50%未満です。