校長ブログ

教職概論

2022.07.29 カリキュラム・マネジメント
7月29

 今回は大学で担当している「教職概論」の振り返りです。この授業は教職課程を履修する学生にとって必修科目。教師という職業の意義・役割・職務内容等に関する基礎知識を学ぶのと同時に、「チーム学校」の一員として協働する姿勢を涵養し、将来、教育現場で活躍できる資質・能力を養うことを目的としています。

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 具体的には、教員養成の歴史、日本の伝統的な教師像(教職観)、教職に関する法・制度、任用と服務、役割と仕事内容、資質向上と研修、管理職・主任の役割、職場環境、現場の課題、教員採用試験、新学習指導要領において求められる教師像などを扱い、様々な事例研究を通じて、背景知識を強化しました。

 授業展開は一貫して、「講義→テーマ→個別検討シート→グループ・ディスカッション→発表」が原則。授業展開は、個別最適化された学びと協働的な学びを通じて、探究的アプローチができるようシラバス・デザインしています。大切にしているのは「将来、教師になりたい」という学生一人ひとりの「志」と対話です。学生諸君の真摯な姿勢が印象に残りました。

 中間課題では、現在の教育現場の課題を的確に捉え、最適解を検討して発表してくれました。意識の高いある学生が「学校ごとのICT教育に差が生まれている→研修会や講習会を近隣の学校とともに開く」「ICT機器の整備や導入に関する課題→専門家や専門職業の力を借り、環境整備を行う」「教員にかかる負担→教職員の業務の軽減、分担を行う」「子どもたちの安全性に関する不安→子どもたちに対する、使い方の講座や保護者への注意喚起を行う」「コミュニケーションが希薄&集中力問題→授業の中でコミュニケーションを取る、グループワークや課題に対するメッセージなどでメリハリをつけてもらう」などと即興で発表してくれました。また、模擬HRや模擬授業では十分な下調べをして、即現場で活躍できるような発表をした学生もいます。将来が楽しみです。

 学校現場は、安心・安全の下、地域と連携しつつ、人的・物的資源を有効活用し、生きる力となる確かな知・徳・体をバランスよく育てることが必須。予想不可能と言われる現代社会だからこそ、子どもたちが基礎的な知識・技能を身につけ、思考・判断・表現する力を育成できる教員を育成していく思いを強くしたところです。これは中高現場の教員育成にも相通じることです。