校長ブログ

新コース立ち上げ特集⑱ー英字新聞の活用

2022.08.05 グローバル教育
8月5

 大学入試対策としては、論説文の速読力と自由英作文が必須。そのためには、背景知識に基づく論理的思考力の強化とトピックに対する自己主張とも言うべき英語発信力が不可欠です。今回は英字新聞の指導事例について。
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 社会を映し出す鏡とも言える英字新聞は、グローバルな視点を養えるのと同時に、自分の意見を英語で書いて発表できる題材の宝庫。限られた授業の中ですべてに目を通すことはできませんが、生徒の興味・関心・習熟度に合う題材を選び、教材化できます。最初は身近な出来事を扱ったトピックから出発し、少しずつ国内から国際情勢へ移行するといった具合です。

 難易度が高い英文の場合は、キーワードを見ただけで概要を予測できるようインターネットや新聞を前もって読み込み、背景知識を養い、「読む前に読めている状態」にしておくこともあります。

 予習では「① ノートの左側に英文記事を書き写し、音読→② ノートの右側に見出し及びリードの和訳を書く」ことを基本形としています。未知語は辞書で調べ、パラグラフの要約を書き、全体の内容把握を行いますが、辞書活用は最小限にとどめ、未知語を前後関係から類推する指導も展開します。 

 実際の授業は、簡単な英問英答から。英文は1度しか言いません。次に見出しから記事内容を推測するよう促しますが、新聞独特の言い方や略語が難しい場合、見出しを飛ばし、リードを読んでから全体の意味を考えさせるようにします。本文の読解では、なるべく日本語は使わず、英問英答でポイントを板書していきます。同時に、トピックの感想を書かせ発表させるだけでなく、関連する共通テーマを与え、ディベートに発展させることもしばしば。

 英字新聞から得られる利点は、ホットなトピックについて楽しみながら学べるので、キーワードやコロケーションなどが定着しやすいこと。また、報道記事やスポーツ記事に頻繁に用いられる分詞構文、結果の不定詞、文修飾副詞、付帯状況with構文などを例文化すれば「借文」しやすくなること。さらに、ディベートを通じて論理的思考力のみならず、課題発見力も養えること等々...。教材は使い方次第で生きるのです。