校長ブログ

究極理論ーウルトラマンの場合ー

2022.08.15 教科研究
8月15

『シン・ウルトラマン』という映画がブレークしています。この作品は、物理学の最先端をいく究極理論に基づき、ストーリーが作られたとのこと。確かに、プランクブレーン、並行宇宙、6次元など、聞き慣れない用語が登場します。

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 監修を務めた橋本幸士氏(京都大学教授)は、製作スタッフがウルトラマンを創る時、最先端の物理学を参考にすることを望んだと述懐されています。

 作品にはウルトラマンや宇宙人がいろいろな宇宙を行き来する場面が描かれており、この空間を作っているのが究極理論に基づく余剰次元とブレーン宇宙と言われるもの。科学者たちはウルトラマンの協力を得ながら、地球を守るために英知を結集しますが、そのベースになっているのが素粒子物理学の知見なのです。

 物質を細かくすると、極微のひもでできている素粒子と呼ばれる粒になるとのこと。そこでは前後、左右、上下の3次元に広がる空間が9次元あり、6つの次元が余分に存在、余剰次元となることから、作品では6次元とか高次元という言い方をしています。

 余剰次元は身の回りのあちこちに存在しますが、素粒子より小さい世界に丸まり、光の元となる素粒子の光子すら入れないため、観測は不可能と見られています。余剰次元の誕生は、宇宙誕生の大爆発であるビッグバンの直後、9次元の空間のうち3次元の空間だけが急速に膨張し、今のような世界ができたとされています。 

 究極理論によると、宇宙はブレーンと呼ばれる膜のような存在。物理学者は、並行宇宙という仮説を打ち立て、人がいる宇宙とは違う宇宙が別のブレーンに存在すると考えています。作品では、ウルトラマンや宇宙人がブレーンの間にあたる並行宇宙を移動しています。

 究極理論は超ひも理論とも言われ、ひもの端がブレーンから離れられないため、余剰次元を行き来できないという見方が主流。一方、重力を伝えるひもは輪状でブレーンにくっついておらず、余剰空間を行き来できるため、重力波を使えば、別宇宙への往来が可能になると想定されています。   

 究極理論については、物理学者の多くがほぼ正しいと評価されているそうです。リアルなブラックホールの映像が出てくる「インターステラー」もノーベル物理学賞を受賞したキップ・ソーン氏が監修しています。最新の物理学がSF映画に取り入れられているのは興味深いことです。