校長ブログ

学問の意義ー経済学の場合

2022.10.19 教科研究
10月19日

 経済学は、人の消費行動や金の流れ、政策などを研究する学問。アダム・スミスの時代から多くの経済理論が展開されてきました。共通しているのは、それぞれの時代の社会問題の解決や日々の暮らしをよりよくし、人間の幸せな暮らしを実現するにはどうすればよいかを追求していることです。 

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 大切なのは、人間の心理や価値観を理解しつつ、限られた資源の適切な配分を考えること。それがなければ、客観的をベースにした妥当性・信頼性のある方向は導けません。つまり、人的資源と物的資源を組み合わせることがポイントです。

 そのためには、膨大なデータの読み取りだけでなく、想像力を働かせ、クールヘッド(冷静な頭脳)とウオームハート(温かい心)で、人間への洞察力を磨く姿勢が肝要です。

 新学習指導要領には「思考、判断、表現」する力を育成することが謳われています。思考力を鍛えるには、日々の授業で疑問に思ったことを深掘りして背景知識を積み上げることが大切。それが論理的思考力につながり、判断材料になっていくのです。今、世界中には理想論だけでは解決できない難題が山積しています。それでもくじけることなく、学んだことを生かしながら新しい時代を切り開く気概が必要です。

 経済という語は、中国の古典にある「経世済民」(けいせいさいみん)の略称で「世を経めて(治めて)民の苦しみを済う(救う)」という意味だそうです。江戸時代でもこの意味で用いられていたことが古文書で確認されているとか...。

 経済学の学びは、単なるお金の動きというより、「豊かさ」への最適解の探究と考えられますが、留意してほしいのは生活者として自分ならどう考えるのかという情報の選択。与えられた情報を咀嚼し、本質を見極めるために疑問を持つことが求められます。これはすべての学問に通底する基本精神であり、未来を思い描く力を養ってくれることになるのです。