校長ブログ

デジタル教科書

2022.10.28 教科研究
10月28日   

 小中学校で使用するデジタル教科書が2024年度から英語で先行導入されることになりました。(算数・数学は25年以降)デジタル教科書は海外に比べ、出遅れが指摘されてきましたが、2019年の改正学校教育法で使用可能となりました。段階的なものであっても学校教育のDX化によって、ICTの強みを生かした個別最適化の学習効果が高まると期待されています。

20220530-242.jpg

 海外の動向として、米国では多くの州でデジタル教科書の使用が認められ、紙ベースの教科書を使った生徒よりも成績が向上した事例が報告されています。シンガポールでは学習意欲を高める効果が指摘されています。韓国では2015年、デジタル教科書の使用を解禁、2020年には小学校の98%、中学校の97%が導入しているといった具合です。

 日本では検定教科書の内容と同一内容のものの使用は認められており、文科省は昨年、全国の公立小中学校の約4割、今年度はほぼ全てを対象に実証事業を行なっています。英語については、ネイティブスピーカーの音声再生機能が一定評価を得ており、約6割の教員が授業の中で活用しています。 

 中教審では、ニーズを踏まえ、国費負担で英語から導入し、徐々に、算数・数学などに拡張する方向を打ち出していますが、混乱を避けるため、当面は紙の教科書との併用を想定しているとか...

  実施については、法制度の見直しも含め、通信環境の整備と教員の負荷という課題も発生します。現時点では、文科省がデジタル教科書は「検定教科書の内容を記録した電磁的教材」と定めているため、紙の教科書にはない学習用の動画やアニメーションは盛り込めません。また、調査では、約半分の教員が不便な点として、フリーズやエラー表示へのトラブル対応を挙げています。

 通時的に見ると、コロナ禍の中、文科省が11台の学習用端末の配備を進めたことを受け、昨年、小学校の教科書が改訂される2024年度から随時、導入が進む方向性とか...新たな制度設計と学校の環境整備が進む中、本校も常に時代の先端をいく努力をしたいと思います。