校長ブログ

『ビリギャル』から学ぶ大学進学の意味

2022.10.12 大学進学研究
10月12日

 高2から奮起して慶応大に現役合格し、『ビリギャル』のモデルになった小林さやかさんは受験を「逆転の大チャンス」とおっしゃっています。

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 小林さんは、高校時代、勉強の方は奮わず、最初、大学を受験をするつもりはまったくなかったそうです。しかし、弟の代わりに受けた塾での面談で知り合った先生が方向転換のきっかけとなります。先生の「君が慶応に受かったら面白いよ」の一言から目覚め、115時間の勉強を続け、見事、合格をつかみとります。

 小林さんは、本当の学びは大学に入ってから始まるので、受験さえ乗り切れば大丈夫だという考え方では危険と注意喚起してくれています。そして、一生懸命努力すれば行きたい大学に入る可能性が広がること、そして、それが新たな出会いにつながり、世界観が変わる要因になるとも述べられています。

 大学卒業後、聖心女子大学の大学院に進まれ、教育学を専攻されています。そこでは授業改善の研究に取り組まれ、学習内容が日常生活に役立つことを実感することで学習意欲が高まることを知ったとのこと...。新学習指導要領に謳われていることを体感されたのです。

 受験を巡る現状について、受験準備を始める時期の前倒し、つまり、幼少期から塾に通って受験勉強しなければ難関と言われる大学に進むのは難しいという風潮になっていることを指摘されています。また、子供が自ら難関と言われる大学に行きたいと言っても、親が初めから諦めてしまい、ブレーキをかけているケースが少なくないとも述べられ、子供のモチベーションを上げるだけではなく、大人の学習観をアップデートすることが不可欠とコメントされています。

 今後、小林さんはコロンビア大教育大学院に進学されるとのこと。そこで、認知科学を専攻し、子供が学びに向かう動機づけや環境を研究、科学的に説明したいと展望を語っています。立派な自己啓発の事例です。また、英語の勉強は大変だったようですが、その気になれば海外の大学にも行けるとエールを送っています。同時に、大学進学を考える場合、日本だけでなく、海外も視野に入れてほしいと。そして、保護者や教職に携わる者が積極的に選択肢を広げてあげてほしいとも。次年度から新設する「グローバル選抜探究コース」のコンセプトがまさにそれにあたります。