校長ブログ

読書講演会

2022.10.20 学校生活
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 19日、読書講演会を行いました。

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 今回の講師は、国語教育がご専門の中西一彦先生(関西国際大学教授)にお願いしました。テーマは「読書プレゼンテーションのためにーI(アイ)文庫と読書の旅」でした。本校の読書活動につながる有益なご講演でした。お忙しい中、ご協力いただきました中西先生にはこの場を借りて、厚く御礼申し上げます。

 本校では、昨年から朝読、大学図書館ツアー、ビブリオバトル等、読書活動につながるさまざまな取り組みを推進しています。ねらいとしては、背景知識を強化、論理的思考力を高め、課題発見・解決能力を育成するのと同時に、思考-判断-表現力を涵養することです。

 大学入試改革が進む中、大学入学共通テストは、暗記中心の知識偏重と批判されたこれまでの入試形態から脱却し、思考力・判断力・表現力等を駆使するテスティングへの変革をめざしています。実際、"深く"考える力を測るべく、作問において、教科書の知識でそのまま解ける問題にならないよう精選・工夫を凝らし、資料を多用した結果、速解力=情報処理力が明暗を分けたのもまた事実。多くの受験生は、複数資料を読み取ることに慣れておらず、想定以上の情報を処理するのにてこずっただけでなく、深く考えるところまで至らなかったのではないかとの指摘もあります。

 大学入学共通テストには高校の授業改善につなげるねらいもあると言われており、授業場面を想定した問題が多かったのも特徴。例えば、小説の欠点を指摘する新聞批評を並べて考察する問題を出した現代文などは、理系の生徒にとって難しかったかもしれませんが、高校国語教育に一石を投じた感があります。ちなみに、OECD(経済協力開発機構)のPISA調査(2018)では、日本の15歳の読解力は参加国・地域中15位と過去最低、特に、記述式問題の正答率が下がり、クリティカルに考える力の不足していることが指摘されています。

 大学入学共通テストは記述式の導入が見送られ、受験生のクリエィティブな発想や表現力などを測定することに課題が残りました。入試を変えてもすぐにそれに対応するテクニックが編み出されますが、時代の要請に応える"本物"のコンピテンシーをどのようにブラッシュ・アップするか、検討すべき事柄は山積みです。