校長ブログ

ネット依存

2022.11.09 トレンド情報
11月9日

 内閣府の調査(2021)によれば、子ども10〜17歳の子どもが1日にインターネットに費やす時間の平均は約4時間24分であり、増加傾向とのこと。確かに、ネットは人をつなぐ有効手段になりうるものの、依存に伴う学力低下が懸念されており、関連を示すデータもあるくらいです。現実的には、優先順位とルールを決め、時間の使い方を工夫することが求められるのは自明です。

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 顕著なのが年齢が9歳以下で、約1時間50分となっていますが、全体的にはどの年代も増えています。ちなみに、ネットを「利用している」としたのが、1017歳の97.7%9歳以下は74.3%であり、目的は動画視聴、使用機器はスマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、テレビなどとなっています。

 厚労省によれば、ネット依存が疑われる中高生は93万人。全国学力・学習状況調査でもスマホなどの使用時間が長いほど、国語や算数などの正答率が低くなる傾向が明らかになるなど、課題が "見える化"されています。

 山縣然太朗氏(山梨大教授)は、ネットを長時間利用している中学生が睡眠時間や勉強、運動の時間が短くなりがちで、うつ傾向とも関連があると述べられています。また、米国のある母親が13歳の息子にスマホを贈る際、スマホを購入したのは自分で、貸しているのだから夜は返却、人に面と向かって言えないことをやりとりしないなど、使い方を示した契約書をわたした例を挙げられています。そして、問題が起きたら取り上げるとしながらも話し合い、寄り添いながら、健全な使い方ができるように支援する姿勢を明らかにしていると言われています。

 ネットやスマホが日常の中で役立っているのは事実です。ただし、何事においても大切なのはバランス。
勉強、遊び、食事、運動、睡眠など、本来、必要な時間を確保した上で、余った時間をネットやゲームに充てるといった1日の過ごし方を組み立てることが自己調整学習につながることは言うまでもありません。