校長ブログ

新コース立ち上げ特集㉛-学習者エンゲージメント

2022.11.22 グローバル教育
11月22日

 学習者エンゲージメントとは、学習者が一生懸命になって勉学に取り組んでいる状態のこと。理想的な学習場面と言えます。どんな学校でも学習に意欲がもてず、授業が退屈に感じる生徒がいるのはよくある話です。そういった倦怠感を打ち破るには、脳を刺激し、感情に訴え、集中力を引く出す授業をデザインするしかありません。

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 学習者エンゲージメントは、認知的なもの、感情的なもの、行動的なものの3つのタイプにグルーピングされています。認知的なものとは、活発に思考し、課題解決に方向性を模索している状態、感情的なものとは、感動を実感し、自己を内省しつつ、課題に楽しく取り組んでいる状態、行動的なものとは、学習活動に集中し、積極的にディスカッションに参加、学習活動に集中している状態のことです。しかし、本当に効果的な取り組みにしていくには、生徒との関係性や受容的なクラスカルチャーの構築が不可欠であることは言うまでもありません。

 Engaging Language Learners in Contemporary Classroomsの著者であるSarah MercerZoltán Dörnyeiは、学習者の成長マインドセットとして、自己肯定的イメージ、つまり、生徒個々が努力次第でもっと成長できると信じて前向きに取り組めるようにすること(自律性)、一定の信頼関係を築き、共感的理解(ラポール)で生徒を受容すること(有能感)、ポジティブな学習集団と教室文化の形成として、コミュニケーションを駆使して、生徒間の心的距離を縮め、つながりを生み出し、協働的な学びによって集団の成功体験を醸成すること(関係性)を言及しています。

 つながりを生み出す授業づくりは教師の基本。授業を展開する上で、当然のことと言ってしまえばそれまでですが、学習者エンゲージメントという概念が特記事項であることは疑う余地がありません。