校長ブログ

神戸空港の国際化

2022.11.24 トレンド情報
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 コロナ禍の入国制限が緩和され、神戸市内でも海外旅行客の姿が目立ち始めました。関西では2025年、大阪・関西万博、2027年にはワールドマスターズゲームズなどが開催されます。神戸空港の国際化が都市の成長に寄与することが期待されています。

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 神戸空港の国際化に向けて、インフラ整備が進められています。国際チャーター便が解禁される2025年を目処に新ターミナルビルを増設、税関や出入国管理、検疫などの機能を整え、定期便が就航する30年前後には発着回数・旅客数が2倍が目標とか...。また、交通網を拡充し、インバウンドの本格回復を見据えたインフラを新たに整備する方針が打ち出されています。

 市は2030年度の神戸空港の年間旅客数を国内線で512万人、国際線ではアジアを中心に190万人の計702万人と試算、コロナ禍のピークの約320万人から倍以上に増加すると見込んでいます。 

 交通アクセスについても、空港と三宮を結ぶポートライナーは混雑が日常化している現状から2025年には空港と三宮を結ぶバス増便や道路インフラも整備するそうです。市内では中心地の再開発、医療ヘルスケア、水素エネルギーなど新産業の育成が本格化しており、空港の国際化は地域経済再生の追い風になっています。

 課題の一つはインフラ整備にかかる財源確保。神戸空港の場合、用地の造成や駐機場の整備工事にかかる費用は国からの補助に加えて、一般財源、市債の発行などが見込まれています。また、航空会社を神戸に誘致するのも簡単なことではありません。現在は関西エアポートが関空、伊丹の両空港と一体で運用しており、関西の国際空港の中心は関空となっています。空港問題に造詣が深い上村敏之氏(関西学院大学教授)は、関空の拡大が優先されることを懸念しています。その上で、自治体が主導して国際線の就航を実現した他の地方空港の事例から学べることが多いと言及しています。