校長ブログ

80億人の日

2022.12.30 トレンド情報
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 現在、世界の人口は80億人に達しています。国連の推計では、2010年以降、10億人増加したとのこと。しかし、出生率が低下したことに伴い、人口増加率は2020年、戦後初めて1%を下回りました。少子高齢化が進む中、持続可能性という点で克服しなければならない課題があるのは自明です。

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 国連は15日を「80億人の日」とし、高齢化や人口減少に向けて包摂的な社会づくりを呼びかけています。同時に、90億人に達するまでは15年かかると試算しています。実際、70億人から80億人に達するまで12年かかっており、人口減を考慮すると、90億人から100億人に達するまで21年はかかると見込んでいます。

 人口増加率は、1950年から右肩上がり、1963年にはピークに達しましたが、その後、出生率の低下で減少の一途を辿っています。新興国の少子化が進む中、今後、アフリカ諸国が世界の人口増加を支えることになります。しかし、低所得国の出生率は高い状況にあり、乳幼児死亡率の改善、教育水準の向上、家族計画、女性活躍に対する社会制度の対応などが求められています。

 これまで上昇していた世界の平均寿命はコロナ禍で低下したものの、2023年には73.4歳に回復すると考えられています。高齢化率は上がっており、高所得国では19.2%5人に1人が65歳以上であるのに対し、中所得国は8.7%と低くなっています。過去12年間で、世界全体の65歳以上の人口が2.5億人増えていますが、そのうち1.8億人が中所得国。新興国は増加する高齢者への対応が必須です。

 人口減少は今後も続き、韓国やロシアに続いて中国減少すると見込まれており、規模ではインドが中国を上回るとのこと。今後、中国、タイ、台湾、イタリア、ポルトガル、東欧各国にも波及していきます。労働力の減少に対し、移民で対応しようとする施策も考えられますが、全体の人口が減少する以上、必要なのは個々の能力を向上させる個別最適化の仕組みづくりであることは言うまでもありません。