校長ブログ

画像生成AI

2023.02.07 EdTech教育
2月7日

 言葉を入力すると画像を生み出す画像生成AIが広がっています。SNSへの投稿データの約4割が日本発だそうです。今後、AIを活用した漫画やイラストなどが生まれる可能性もあり、期待値は高まる一方です。

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 画像生成AIは、絵や写真からその特徴や言葉とのつながりを学習し、実物そのものの絵や写真などの画像を生み出す能力もあるとか...。広がりを見せたのは、昨年夏。英国のスタートアップStable Diffusion(ステーブル・ディフュージョン)が公開されてからです。当然、その技術を参考に日本語版AIが開発され、利用者が急増しています。鳥海不二夫氏(東京大学教授)を中心に、画像生成AIに関するハッシュタグが付いたツイッター投稿約260万件を分析したところ、今や世界最大の発信地が日本となっていることがわかりました。

 漫画も登場しました。AI漫画のツイッター投稿者は、movie scene(映画の場面)というキーワードからAIで生成した絵が話題を集め、表現の可能性を広げてくれると印象を語っています。イラスト投稿サイトも同様であり、AIの生み出す精巧な絵や表現を上手に活用できれば、創作活動の世界が広がると展望を広げています。

 しかし、課題もあります。AI学習での著作物の使用は日本をはじめ、多くの国で合法とされてはいるものの、AIの一部が無断転載されたイラストを大量に学習してしまい、クリエーターたちが仕事を奪われる危機感を募らせているのもまた事実。また、AIがバイアス(偏見)を学習したり、精巧なAI画像を使ったフェイク(偽)情報を拡散したりする危険性もあるのです。さらに、知的財産に向けて、規制を強化するだけでなく、AI利用に関するリテラシーや倫理観も構築しなければなりません。

 今後、人間とAIとの共存に向けて役割分担が不可欠です。AIの仕組みを正確に理解した上で、社会全体の中でどう活用していくか合意形成し、人間が主導して方向づけしていかなければならないのです。