校長ブログ

調理ロボ

2023.02.08 トレンド情報
2月8日

  コロナ禍で人手不足が深刻になる中、飲食店で調理ロボットが積極的に導入されています。コロナ禍で人手不足が深刻になっていますが、それぞれが工夫を凝らしながら難局を乗り越えようとしているのです。

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 例えば、パスタなど、自動調理が可能な店を拡大しているプロントコーポレーションという企業では、風味の開発を進め、コストも人より安い時給で対応できるような調理ロボットP-Robo(ピーロボ)を導入しています。来年には加盟店の募集を開始し、ロボット調理の店を50店舗にする計画を立てているそうです。

 P-Roboは、冷蔵保存しているソースと1グラム単位で量った具を鍋にセットし、1分間に最大約160回転、強力なコンロで温度を上げても高速回転なので焦げつくことはないとのこと。そして、ゆで上がると鍋で受け止めるまでの作業を最速45秒、それも正確に行い、ソースの香りを飛ばすことなく、安定した味を保つとのこと。店員は盛り付けをするだけです。

 しかし、課題もあります。P-Robnは、人間のように様々な食材やメニューがに同時に対応することはできません。現段階では、限られた機能を生かせる業態やメニューの設計に限られます。

 コロナ禍で、飲食店は休店や閉店を余儀なくされました。結果、若年人口の減少も相まって、アルバイトは激減しています。帝国データバンクによれば、飲食店の7割以上が人手不足を訴えており、今後、さらなる対応が迫られます。

 飲食店はタッチパネル注文や配膳ロボの導入を行っていますが、実際、作業の一部を機械化しても人手不足は解消されないようです。P-Roboをプロントコーポレーションと共同開発したテックマジックは、本体価格を1,600万円程度とし、150台の納入をめざすとのこと。月30日、1日12時間稼働、時給換算1,250円、厨房人員を12人削減できるため、従業員1.5人分の働きをすると実質の時給は833円となる見込みです。都内のフード系アルバイトの平均時給が1,163円(リクルート)ですからそれより3割安価なわけです。 

 類例として、駅内のそば店「いろり庵きらく」(JR東日本クロスステーション)の調理ロボットがあります。ロボットが生そばをつかみ、網に入れ、1時間で最大150食分をゆでられるとのこと。現在は5店舗ですが、拡大路線をとり、働き方改革につなげています。

 ロボットはすでに自動車工場などで既に活躍しています。調理ロボットの国内の市場規模は、1億円程度と言われています。北京冬季五輪では食堂の調理や配膳にロボットが導入され話題になりました。ロボットの普及は、人によるサービスという固定観念を変え、消費者意識をも変えつつあると言えるのです。