校長ブログ

子供の体力低下

2023.03.03 トレンド情報
3月3

 コロナ禍で子供が外で遊ぶことが減少し、併せて、体力が低下していることが指摘されています。全国体力テスト(2022)を見ても、小中とも過去最低、学校現場では体力低下に歯止めをかけるのに懸命です。

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 全国体力テスト(2022)における厳しい結果を受け、国は、子供の健康維持に向けて、学校のみならず、家庭での運動の習慣づけを呼びかけています。スポーツ庁は家庭での取り組みを重視、体の柔軟性や筋力、バランス力を自己診断できるeラーニング教材を配信する方針を固めたようです。学校によっては校舎内にスポーツクライミングを設置したり、遊具の使い方を動画配信するなどの工夫が見られます。

 同テストにおける低下傾向の要因としては、生活習慣の変化、特に、コロナ禍における「巣ごもり」に伴うデジタル機器の利用が増えているということが指摘されています。スポーツ庁は、外遊びからスマホ利用へと子どもの放課後の過ごし方が変容し、運動時間が減っている可能性があると考えています。ちなみに、スマホやテレビをみる時間について、13時間以上と答えた割合は小学男子40.9%、女子34.5%を占めており、2018年度と比べても増加傾向となっています。

 外出して遊ぶ機会が減少する中、校庭の遊具の使い方を知らない子供も少なくないようです。現在、遊具の使い方を紹介する動画を作り、低学年の児童に学習用端末を通じて配信している小学校もあるくらいだとか。学年の異なる児童と遊ぶ機会も設けたところ、校庭で遊ぶ児童が増え、体力テストの成績も向上した事例もあると言います。

 青柳健隆氏(関東学院大学准教授)は、体力向上には体育の授業での創意工夫に加え、座ってばかりの時間を減らすことや運動しやすい場所を増やすなどの取り組みが不可欠であることを言及されています。

 オーストラリアでは、政府がガイドライン(2019)を通じて幼少期に運動の楽しさを知ると生涯を通してスポーツや運動の機会が増えることを明示しています。そして、運動しやすい設備や器具の整備を学校に促すことに加えて、家庭と連携して座っている時間を減らすよう求めています。本校においても知・徳・体のバランスのとれた教育実践を展開していく所存です。