校長ブログ

キャリア教育の早期化

2023.03.01 トレンド情報
3月1日

 新卒段階から仕事内容が求める能力を明確にする「ジョブ型」を導入する企業が増えています。学長アンケート(対象は157大学、日経)によれば、キャンパスが職業訓練一色になってしまうことを危惧しつつ、5割弱の大学がキャリア教育の早期化と返答されているそうです。

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 順位は「キャリア教育の早期化」(46.5%)、「実践教育の充実」(43.9%)、「専門教育の充実」(33.1%)と続きます。教育内容は低学年からキャリア教育や就業体験を行い、早期からキャリア形成を意識させ、即戦力を育成するというものが主流。スタッフも実務経験のある教員による実践的なカリキュラムを取り入れているところが多くなっています。

 例えば、東北大学は、大学院博士課程を対象にジョブ型の研究インターンシップを提供しています。これは博士課程の学生が民間企業に関心を持つようになってきたことを受け、就職活動を支援するのがねらい。ただし、学部卒で専門領域を決められる学生は少なく、ジョブ型導入についての考え方には温度差が見られます。

 入社後のミスマッチを防ぐ点が期待される一方、大学によっては、インターンが実質的な企業説明の場になっていることを不安視する声があります。同時に、高等教育機関の本来の役割、学際的な学びの立ち位置、教養教育軽視などが懸念材料となっているのもまた事実です。

 今、インターンシップに参加した学生の評価を企業が採用時に利用できるようなルールの見直しが行われています。一般的なインターンは5日以上ですが、長期インターンが増える可能性もあります。先程の学長アンケートでは、長期インターンについて「望ましい」とした大学が51.6%と最も多く、「わからない」(39.5%)、「望ましくない」(8.9%)となっています。

 「人的資本経営」という考え方が広がり、リスキリング(学び直し)が求められています。政府は、経済の活性化を目途に、リスキリングに取り組む企業には助成金を打ち出す方向性です。社会人教育の強化・拡大をもくろむ多くの大学(8割と言われています)にとって追い風であることは間違いありません。こういった動きはまだまだ未知数ではあるものの、注視しておかなければならない情報なのです。