校長ブログ

機械学習

2023.05.06 EdTech教育
5月6日

 機械学習とは、コンピューターに学習能力を持たせるための情報技術のこと。専門的な知識を必要とせず、簡単な言葉を入れるだけで音声や画像の認識、情報検索など、様々な場面で用いられるAIシステムです。

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 よくAIが学習すると言われますが、正確に言えば、AIが自発的に学習するというわけではなく、技術者がプログラムをつくってコンピューターを学習させているのです。画像認識を例にすると、スマートフォンで撮影した写真が「入力」、写っている物体の種類が「出力」という関係をつくり、学習していくという仕組み。その組み合わせは訓練データと呼ばれます。機械学習では、統計的学習理論に基づき、学習した訓練データによる予測・識別に重きを置き、目や耳などの知覚機能をコンピューターに代替させ、労働を機械的な単純作業から知的創造活動へと転換させようといるのです。

 課題もあります。簡単な例をあげれば、夏のアイスとエアコンの売り上げの関係。ここには正の相関がありますからアイスの売り上げからエアコンの売り上げを予測することができます。しかし、どれほど多くのアイスを売っても、エアコンの売り上げは伸びるわけでなく、気温という要因がある以上、アイスとエアコンに因果関係があるというわけではありません。機械学習にはこのような問題が生じるのです。

 また、入力情報だけで何らかの知識を得ようとする学習方法もあります。確かに、入力と出力の関係からなる訓練データに比べ、手間は半減しますが、何を学習するかが明確でないため、必ずしも適切な結果が得られるわけではありません。そのため、なんらかの情報を与え、訓練データと組み合わせて用途をさぐることになりざる得ないのです。

 技術革新と共に、データの生成技術が進化し、簡単な言葉を入力することで、期待する出力が得られるようになりました。結果、これまで人間にしかできないと考えられていた絵画制作や小説執筆などが可能になったのです。しかし、AI技術の原理は未だ解明されていない点が多いのも事実。今まさに、AI技術を活用する能力とAIが生み出す情報の本質を見抜く力が求められているのです。