校長ブログ

コモングラウンド

2023.06.22 トレンド情報
6月22日

 昨年秋、モノと情報(デジタル)が流動的に行き来して新しい価値を生み出す基盤となる「コモングラウンド」をテーマにしたシンポジウム(東大生産技術研究所など)がNYにて開催され、多くの関係者の関心を引いたのは記憶に新しいところです。

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 これまではメーカーによって機種が異なるため、統合的な制御ができないという課題がありました。しかし、現実空間にセンサーやカメラを置いて建築物、ヒト、モノの位置や動きをデジタルデータ化すれば、ロボットなどは人間と同じように空間を認識して動けるようになるのです。

 東大の生産技術研究所は、インタースペース研究センターを設置、物と情報をつなぐ研究を進めているとのこと。提唱者は、建築家で東大生産技術研特任教授である豊田啓介氏。異なる領域や規模の企業の連携が必須であり、それぞれがもつ技術を積み上げるのではなく、まずは将来のあるべき姿から組み立てるべきと述べられています。

 多様なエージェントの空間記述、環境認識、拡張性に優れるゲームエンジンを使うのがコモングラウンドという発想です。マサチューセッツ工科大(MIT)やアマゾングループ、ナイアンティックなどが連携に興味を示しているそうです。

 米国では、すでにメタバースなど、バーチャル側の空間を広げる傾向が顕著ですが、次の段階としてはバーチャルと物理空間を接続し、ものづくりやゲーム開発に発展させる模索が続いています。国内では、2025年の国際博覧会(大阪・関西万博)に向けて、多くの企業が幅広い領域の共通基盤を作るべく、実験をスタートさせています。

 将来の展望として、教育や医療の分野で企業や地方自治体と連携してコモングラウンドを事業として実現する動きもあるそうです。同時に、万博開催中に、5年後に社会実装をめざし、会場の中のパビリオンと会場の外の拠点を結んでコモングラウンドの実証が行われる予定だとか。夢はふくらみます。