校長ブログ

海外の取り組みに学ぶ③―英国

2023.07.28 グローバル教育
7月28日

 教育活動はその国の歴史や価値観に根ざすものであるのと同時に、持続可能な発展や平和といった普遍的価値を追究するものでなければなりません。各国がそれぞれ実情に応じた政策を打ち出しながら、実践、共存共栄していくことが求められます。生成AI、コロナ禍など、様々な変容と共通の課題が山積する中、他国の動向にも目を向けておきたいものです。

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 主要7カ国(G7)教育相会合で教員不足やAIへの対処など、共通する課題に関する議論が深まっています。英国のジリアン・キーガン教育相は、ポストコロナの時代、誰一人取り残すことなく、誰しもが平等に教育の恩恵を受けられる機会均等を強調されています。

 具体的には、コロナ禍以前からあり、コロナによって増幅された課題と技術革新に伴う課題の2つを挙げています。2つとは、コロナ禍で早期退職する教員が続出、教員が不足していること、また、様々な業種で獲得競争が激化したこと。さらに、ロシアのウクライナ侵攻を発端とするインフレも関係し、雇用を安定させることの難しさに直面したと述べられています。

 対策としては、教員の賃金の引き上げを過去30年で最大にし、共働き世帯も含む世帯全体の平均収入と同程度までにしています。特に、理系教員やメンタルヘルス、特別支援教育といった新たな問題に対応するためのスキル向上にも経費をかけているとか。また、将来の国の繁栄に向けて、リスキリング(学び直し)などにも力を入れています。財政面については、過去最高額である588億ポンド(約10兆円)を投資し、デジタル関連はじめ、時代の先を行く生産製造、AI、バイオテック、脱炭素などに必要なスキル向上に向けています。

 チャットGPTなどの生成AIについてはリスク管理の必要性を言及し、日本とともにタスクフォースを立ち上げています。そして、AIを使いこなす力を教えることと、悪用させないようにすることの両立を述べられています。さらに、先進国同士の学び合い情報共有が不可欠であることにも付言されています。