校長ブログ

睡眠と夢の関係

2023.08.17 トレンド情報
8月17日

 人間がなぜ眠り、なぜ夢を見るのかという現象を解明すべく様々な研究が進められてきました。睡眠は、記憶など脳の働きとの関わりが深く、不足すれば体調不良の原因となります。

DSC00122.JPG

 眠りの進化は原始的な動物から始まったことがわかっています。コンスタンツ大学(独)の研究によれば、ハエトリグモにもレム(REM)睡眠のような状態があるとのこと。レムとは、急速眼球運動の頭文字からとったもの。睡眠中、目を素早く動かしますが、夢らしい夢を見るのはその時のことです。

 人のレム睡眠が発見されたのは70年前。レム睡眠は哺乳類と鳥類だけに起こり、独自に進化したと考えられていましたが、新説が出てきました。かつて、眠っている時は脳の活動が下がると考えられていましたが、活動が活発な睡眠もあるということがわかってきたのです。乘本裕明氏(北海道大学准教授)は、レム睡眠は爬虫類と鳥類、哺乳類が進化で分かれる約32千万年以上前に存在していた可能性が高いと述べられています。

 レム睡眠と夢の関係にも新説が出てきています。カリフォルニア大学のマッシモ・スカンジアーニ教授と千歳雄大研究員は、レム睡眠の目の動きはランダムでなく、急速眼球運動は夢の内容と連動していることを発表されています。

 睡眠を制御しているのは脳ですが、動物が進化する過程でいつから眠るようになったのか興味深いところです。一般的には、脳が進化するとともに睡眠をとるようになったと考えがちですが、脳をもたないクラゲやヒドラにも睡眠と見なせる状態があることが発見されていることからそうとも言えないようです。

 睡眠のメカニズムは動物によって違いがある以上、生物に共通する睡眠の原理を探究することが今後の課題。様々な生物を比較し、未知なる事象を解明することが生物学研究の基本とするならば、その根底にある物事の本質追究はすべての学習の基本なのです。