校長ブログ

当たる天気予報

2023.08.18 トレンド情報
8月18日

 正確な天気予報にむけて、計算機科学を駆使し、モデル統合やAIの活用を通した挑戦が試みられています。今年で言えば、大雨被害が多発するなど、厳しい天候が続いていますが、雨予報の確率が上がれば、洪水などの防災上の様々なリスクを回避することが可能になります。

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 予報は「数値予報」という計算がベース。気象庁はスーパーコンピューターを定期的に更新し、精度を高めています。ちなみに、5月の雨の有無の的中率91%に対し、梅雨時期の7月は81%だったとのこと。

 数値予報は大気を多数の格子に区切り、物理法則にあてはめ、気圧や気温、風の変化を計算して算出します。格子が細かくなればなるほど現実に近づけられるものの、計算量が増えるとデータ収集がたいへんです。そこで、気象庁は計算手法を改良、格子間隔が5キロメートルのメソスケール・モデル(MSM)を生み出しました。

 気象予測は初期データの誤差により、異なる結果が出てしまうことが多いため、気象庁は予め初期データを変えた計算をし、想定されうるシナリオを導き出す「アンサンブル予報」を導入。誤差も反映できるような改良が功を奏し、夏の降水確率や強雨域の予報的中率が上がりました。

 気象会社も努力を重ね、精度向上に挑んでいます。確かに、民間では資源に限界があり、自社モデルの改善やスパコンの更新が進みにくい点があります。しかし、全国の登録リポーターから寄せられる情報が豊富なウェザーニューズを例にすれば、日米欧の7機関のモデルの結果を参考に、AIのディープラーニング(深層学習)を応用、予報を改善しています。降水予報の的中率は2022年は年間88%、降水があった当日にそれを予報していた捕捉率89%は気象庁を凌いだそうです。

 日本気象協会も独自のMSMモデルを構築し、米海洋大気局(NOAA)、欧州中期予報センター(ECMWF)などのMSMの結果を重み付けして取り込む「統合気象予測」の提供を始めました。今後は精度だけではなく、人的・物的被害の想定などと組み合わせた情報提供に力を入れています。