校長ブログ

留学生の就職先

2023.09.11 グローバル教育
9月11

 これまで専門学校に通う外国人留学生の就職先と言えば、専攻分野に関わる仕事と限られていました。しかし、今後、国が認定した学校を卒業した学生にはかなり柔軟な対応がとられ、大卒の留学生と同等の扱いになるそうです。

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 背景にあるのは慢性的な人手不足に加え、海外との厳しい獲得競争に他なりません。文科省は外国人受け入れ政策を見直し、日本語や文化に馴染んだにもかかわらず、就職先が少なく、帰国・進学する学生数が年間約3千人ほどと試算し、国内での働き手としてつなぎ留めることを目指しています。

 対象は企業と連携した「職業実践専門課程」の専門学校生であり、全国の約300校。具体的には、製造業や1次産業などの現場業務だけでなく、オフィスワーク関連でも就労を可能にするとのこと。

 日本学生支援機構によれば、専門学校への留学生は2021年度に約3万2千人が卒業していますが、実際、職を得ることができず、そのうち約1割が帰国・出国しています。一方、大卒の場合、幅広い知識を習得したと見做され、例えば、経営学部ならコンピューター関連での翻訳・通訳といったように、専攻分野と業務の関連性を柔軟に判断してきた経緯があります。

 職業教育を受けてきた専門学校の卒業生について言えば、専攻分野での就職を求め、「専攻科目と従事しようとする業務は相当程度の関連性が必要」というガイドラインが定められていました。しかし、これを改定し、文科省認定の専門学校に通う留学生は大卒並みの運用とすることになるのです。経済界も制限緩和を求めており、経団連は専門学校の留学生の「就職や職務の遂行が阻害されている」と指摘しているほどです。

 海外に目を向けると、カナダやドイツは海外の生活や文化、言語になじんだ留学生を優遇しています。日本は入国5年後で約4割、10年後に約2割が残るのに対し、両国は入国5年後で6割以上、10年後でも4割以上が残るという現実もあります。グローバル化が叫ばれる中、日本でも具体的に外国人と共生する社会を構築することが求められているのです。