校長ブログ

消費トレンドの変容―タイパの時代

2023.09.22 トレンド情報
9月22日

 消費トレンドの変化は激しいものです。ついていくのが大変と感じる人も多いはずです。しかし、現代の消費者が何を求めているのかつかまない限り、時流に乗り遅れるだけでなく、人の理解にもつながりません。消費トレンドの変容は、人間の心理と密接な関係があるのです。

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 歴史をひもとけば、日本は「モノ」を消費する社会が中心でした。しかし、人は豊かになるにつれ、お金を楽しみのために使うようになりました。そして、興味・関心の対象をいかに他者との違いに置くかとし、その中で自己表現してきた感は否めません。しかし、情報化社会の中であり余る選択肢は増えたものの、「モノ」の値打ちは似たりよったり、かつてほど買い手の心をつかまなくなっていくのです。そして、「モノ」から体験を重視する「コト」消費へと変わっていくのです。

 東京ディズニーランドとシーのチケットが1万円を超えて話題になりました。″ふつう″の金銭感覚からすると高価なイメージがありますが、それだけ価値が上がったということなのでしょう。これは、体験を重視する「コト」消費を象徴する事例と言えます。

 ヒット商品番付の最上位「横綱」(日経MJ)を見ると、90年代後半は「ウィンドウズ95日本語版」「激安携帯電話・PHS」「もののけ姫」「横浜(ベイスターズなど)」ですが、「モノより思い出」(日産自動車セレナのテレビCMのキャッチコピー、1999)あたりから「モノ」から「コト」への変化が顕著になります。ちなみに、2000年以降、「イチロー」「安室奈美恵」「大谷翔平」など、物語性があり、感動させる「ヒト」に興味・関心の対象が向いています。

 人の欲求はエスカレートし、やがて、その場でしか体験できない「トキ」を求めるようになっていきます。その背景には、デジタル社会の中で、ありきたりの体験だけでは満足することができなくなったことがあります。つまり、生きる喜びを実感し、魂をゆさぶられるような体験を求めるようになっていくのです。「トキ」消費の特性は、その場に居て、周囲と同じ感動を分かち合えるという体験が得られるのです。

 昨年の横綱である「コスパ&タイパ」(費用・時間対効果の高い商品が好調)がその典型。デジタルが消費に与えた影響は大きいものですが、時間を大切にしたいという思いはタイム・マネジメントに昇華できるのです。
時代の移り変わりとともに、人々が求める価値は変化していきますが、学校経営もそれに対応するものでありたいと思います。