校長ブログ

味の好み

2023.10.14 トレンド情報
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 味香り戦略研究所の調査(2022)によると、塩辛い味の保存食が普及する北日本は甘味が人気で、甘いしょうゆが根づく南日本では苦味も支持されるそうです。

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 この調査は、1579歳の約7,700人への調査をもとに類型化したもの。全国を6地域に分けて傾向を探り、甘味、塩味、酸味、苦味、うま味の5つについて、平均を100として指数化しています。一般的には可視化しにくい味の好みを科学的に解明し、地域別にデータを分析した点が興味深いところです。当然、商品開発などの参考となることは言うまでもありません。

 北海道と東北は、塩味と甘味がそれぞれ平均より1ポイント以上高くなっています。寒冷地では塩気の強い保存食が親しまれてきましたが、実際、それだけではありません。甘味については、中部や近畿が平均より2ポイント以上低くなっています。甘口しょうゆで有名な九州・沖縄は苦味も人気があり、6つの地域で唯一、苦味の値が平均を上回っています。うま味は東西では対照的であり、近畿、中国・四国など、西日本は平均より1ポイント以上高い一方、関東・甲信越など、東日本などは低くなっています。

 興味深いのが購入される割合(リピート率)の分析。チキンラーメン(日清食品)は、焦がししょうゆの風味が特徴ですが、苦味を好む九州・沖縄では38%と高かったのに対し、カレーうどん甘口(東洋食品)は、甘味と塩味が支持される北海道・東北で29%となり、関東を10ポイント上回っています。

 年代別に見ると、1020代は甘味の数値が高く、苦味は好まれず、年を取るにつれて甘味は低下し、苦味が高まる傾向が見られます。また、性別で見ると、男性は塩味、女性は酸味を好む傾向があるようです。味の濃い商品は来店客1千人あたり購入金額が上がる傾向にあり、コロナ禍を経て、高まる健康志向も追い風となっています。味や好みによって、個別最適化された味や栄養素を提供するパーソナライズド食品の開発に役立てることができる情報です。