校長ブログ

公園の再生

2023.12.19 トレンド情報
12月19日

 都市公園の再生が進んでいないようです。公園の数は約60年間で25倍になりましたが、全体の9割を占める小規模公園の維持が厳しくなっているのです。

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 公園といっても国や自治体が設置した都市公園、都市全域の住民が使う都市基幹公園、近隣住民が利用する住区基幹公園、広域の住民の需要に対応する大規模公園、自然環境の保全などで設ける緩衝緑地など、種類は様々です。

 歴史的には、明治政府が寺社の境内や景勝地などを整備したのが都市公園の始まりとされています。近代的なものが1903年の日比谷公園。関東大震災後には、防災用緑地や避難場所の確保を目的に隅田公園などが整備されています。国土交通省によれば、都市公園の総数は約114,000カ所(2021)であり、1960年と比べて25倍、総面積も約13万ヘクタールと9倍に増え、いずれも過去最高とのこと。結果、都市計画法などによって増加野一途を辿ったのが小規模な公園ですが、維持管理に苦労する自治体も多いのが実情です。

 例えば、320もの公園がある埼玉県春日部市。人口増に伴い整備を進め、45年前と比べると6倍になったものの、人口が減少し、管理が重荷となっています。2018年には「都市インフラマネジメント計画」が策定されたものの、諸々の課題があるため、再編には至ってはいないそうです。

 都市公園法では、「みだりに廃止してはならない」と規定されていることもあり、老朽化対策も必要となっています。再生に向けて、企業との連携が進められています。東京都渋谷区は、三井不動産と連携、老朽化が進んでいた宮下公園を屋上に移し、下層には商業施設などを入居させています。しかし、このような都市インフラの再整備は必ずしもうまくいっているわけではないようです。

 海外の主要都市では、1人当たりの公園面積が日本と比べて大きくなっています。背景には、公園を含む自然が持つ様々な機能を利用し、防災や気候変動、生物多様性などの課題解決につなげる「グリーンインフラ」を都市戦略の一つに位置づけていることがあります。ニューヨークでは市民の提案を契機に、年間800万人が訪れる空中公園を作りあげています。

 神戸市は市民や地元企業と協力して中心部にある東遊園地に芝生を敷き、屋外図書館や演奏会などで賑わいを生み出す社会実験を実施し、再整備を行なっています。大切なのは、都市公園が憩いの場てなるように、自治体と住民、企業が合意形成し、価値を高めていくことに他ならないのです。