校長ブログ

グローバル化の中の進学校

2023.12.13 大学進学研究
12月13日

 東大の合格者数トップと言えば、42年連続で開成高校。素晴らしいの一言ですが、近年は海外大学への進学を支援するなど、東大にこだわらない柔軟な進路指導を展開されているとか...。名古屋大名誉教授で、校長を務める野水勉氏は、先輩が多いため、東大に固まる傾向が強いものの、特定の大学を勧めることはしていないと言われています。(日経2023.10.29

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 同校は、自ら学習に取り組む生徒が多く、学校では大学受験対策はあまり行わず、大学入学後に生きる勉強を重視するため、中学入試は、じっくり考え、工夫して答える問題にしているようです。また、多様な人とのコミュニケーション力やリーダーシップを身につけるという目標を定め、留学を奨励、積極的に海外大学への進学支援を展開されています。

 同校長は、 受験までに多額の費用がかかるので、中学受験をめざせる機会を開くだけでなく、男女共同参画が遅れている日本社会を変えるためには、機を見て、共学化についても真剣に考えていくそうです。共学化が進む英国の名門私学であるパブリックスクールでも男女が対等につくる社会の担い手をどう育てるかという論点と一致します。

 同校に限らず、高校生の意識には変化が見られるものの、欧米に比べ、日本の生徒はいまだ世界を見ずに大学を決めるところがあります。その意味で、交換留学や海外大学のプログラムなどに参加する生徒に対し、相応の対応をすれば、生徒の関心は一段と海外に向くはずです。政府は日本人学生の海外派遣を2033年までに50万人に増やす方針を打ち出していますが、授業料が高騰しているため、資金援助を手厚くする政策も不可欠です。

 日本人学生の海外留学はなかなか厳しく、外国人留学生の受け入れを40万人にする目標も容易ではない実態が浮き彫りになっています。現在、東アジアから日本語学校を通して大学に入るのが通例ですが、今後、欧米やアジアから直接来られるよう英語で教えるプログラムを用意しなければなりません。英語を留学生のレベルに合わせると日本人学生が理解できず、日本人のレベルの英語では専門的な内容を深く教えられないという問題もあります。留学生には英語で授業ができる教員、生徒には高い英語力が求められるのです。

 グローバル化とジェンダー平等に伴い、進学志向に変化が見られます。教育現場においては、公私立に関係なく、教育力の充実を最優先させ、世界に通用するグローバル人材を育成する仕組みづくりが急務なのです。