校長ブログ

防災気象情報

2024.01.19 トレンド情報
1月19日

 気象庁は、分かりにくいと言われる防災気象情報を整理することを目途に、名称や分類を見直すそうです。実態として、「大雨警報・特別警報」「土砂災害警戒情報」など、複雑な名称が多く、発表主体も分かれている点が課題です。災害が激甚化する中、5段階の警戒レベルとの関連を整理して再編、迅速な避難行動につなげることを掲げています。

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 気象庁と国土交通省の有識者検討会が防災気象情報の改善策を話し合い、見直し案をまとめましたが、数年後の導入をめざし、具体的なことは今後議論されます。

 気象庁は、洪水、土砂災害、高潮について、警戒レベル15の防災気象情報を市区町村ごとに発表しています。そして、その警戒レベルを基準に、住民への避難指示を出すかどうかを判断するという仕組みになっています。

 これまで、土砂災害での大雨特別警報」は、警戒レベル5が最も危険なものとなっており、レベル4は「土砂災害警戒情報」、レベル3は「大雨警報」と続いています。しかし、土砂災害と大雨に関する警報が混じり合い、リスクが伝わりにくい面があったのも事実。また、高潮についても、気象庁は「高潮特別警報」と「高潮警報」共にレベル4にするといった具合です。

 2070代の男女2,000人を対象にした気象庁のアンケート(2022)によると、過半数が土砂災害警戒と大雨警報のどちらが危険なのかわかりにくいなどと回答しています。警戒レベル導入に際し、情報を5段階に分けたことがかえって分かりにくさを助長した感は否めません。

 土砂災害は、増加傾向にあります。国土交通省によると、2022年の8〜9月は32道県で525件が発生、10年間の同時期の平均(366件)を上回っています。集中豪雨などによっては、大規模な被害も出ており、深刻な事態となっています。その意味で、情報を明確にし、警戒レベルとの関連を分かりやすくするために、それぞれのレベルの名称に「土砂」という表記を入れる案が示されています。

 これまでは大雨警報・特別警報を気象庁、土砂災害警戒は同庁と都道府県が共同で発表していましたが、今後は関係機関が協力して発表する方向で調整されています。また、中小規模の河川の洪水は国交省が河川ごと、地方気象台が市町村ごとに発表しているが、これらも共同で発表する案を示されています。名称変更が必ずしも被害減に結びつくとは限りませんが、避難指示のタイミングや自治体の対応など、改善する点があることは明白なのです。