校長ブログ

第4次産業革命

2024.02.03 EdTech教育
2月3日

 オープンAIが対話型のチャットGPTを公開し、生成AIがブームとなって早2年。生成AIはインターネット上の情報を学習し、簡単な指示で文章や画像を作ってくれます。国際政治経済の動向を産業革命史の視点で捉え直した 『産業革命史』(郭四志)には、ITAI、新エネルギーなどの分野で第4次産業革命が起こり始め、人間の価値観に影響を与えつつあると記されています。

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 今や、小学生から大学生までが生成AIを体験し、活用しています。こちらが投げかけた問いに対し、まるで万能な人間のように対応するため、教室での対話風景が変容しつつあります。どこまで進化するのか想定できませんが、どのような最先端技術にも一長一短はつきものです。

 身近な例で言えば、AIを用いて書いた論文やリポートは認められるのかどうか、AIで作成した画像は個人の表現力やアイデアとして認められるかどうかなど、これまでの評価基準や社会制度を根底から覆す可能性があります。技術革新の進展と偽情報の拡散などが政治、経済、社会に影響を及ぼす危機感が国家をも動かし始めているのです。その意味で、ルールづくりが不可欠となります。

 文化庁は、生成AIと著作権のあり方を検討し、著作権者側が複製防止などの対策を講じているにもかかわらず、AIが無断で機械学習した場合、著作権侵害になり得るとの考え方の素案を示しています。また、特定のクリエーターの作品だけを学習させることは権利侵害になる可能性があると指摘している一方で、AIの生成物の作風や画風が似ているだけでは、著作権侵害にあたらないとの考えも示しています。

 AIの出現に人は皆、期待と不安を抱くものですが、刻々と変化する現代社会の中、様々な情報を時系列でまとめ、全体像をイメージしてみることが突破口。AIにはかなわないと決めつけるのでなく、人間にしかできないこと、つまり、役割を考えることが大切です。将来、AIの進化によってどんな影響が及ぶのかを自分の問題として捉え直す視点が時代を読み解く力、未来を見通す新たな学びとなるのです。