校長ブログ

自分さがし

2024.02.28 学校生活
2月28

 いつの時代も一生懸命勉強して大学に入ったものの、やりたいことが見つからず、大学に通う意味がわからなくなったという学生がいます。大学は本来、学問を学ぶところ。にもかかわらず、就職予備校化しているとの指摘もあるくらいです。

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 大学には必修科目こそあるものの、自分のやりたい分野の研究を深めることができるだけでなく、サークル活動などを通じて、互いに刺激し合い、人間力を高め、かけがえのない関係を築くことができます。

 インターネットの基礎を構築し、「日本のインターネットの父」と称される村井純氏(慶應大学教授)は、大学時代、カウンセラーになることに集中しすぎたため、留年してしまったそうです。しかし、後悔などなく、それどころか様々な体験を積んだことがかえってコンピューターをつくるときに役に立ったと述懐されています。

 また、大学は4年で卒業する必要はなく、留学やインターンをしてから、卒業研究に取り組めばかなり充実したものになるともおっしゃっています。ちなみに、大学の常任理事時代には、休学時の学費を大幅に減免したところ、56年で卒業する学生が増えたとか...。

 ボーダーレスに学べるデジタル時代、専門性を深めるには、自分の興味のあることを自分の専攻分野でどのように生かせばよいか考えてみる、例えば、ロボットが好きな法学部の学生なら、ロボット法を考えてみるなど、いくらでも応用がきくと助言されています。やりたいことが見つからず、悩んでいる学生には、イベントやサークルに参加して、自然体で興味・関心の対象を見つけるのも大学に行く強みであるとコメントされています。

 授業のあり方については、伝達型ではなく、リアルとリモートのハイブリッド型でも積極的に参加できるようにする必要性など、新学習指導要領とも重なるアプローチを推奨。

 さらに、大学時代にサークル活動等に多くの時間を費やす学生が卒業後に活躍するケースが多いという例をあげ、湘南藤沢キャンパスを作る際、大学が楽しくてしようがないという場にすることを目的にしたとのこと。そして、大学生活を社会へ挑戦するスタートとし、インターンやアルバイトでお金をもらう機会とするだけでなく、実社会に近いことを学び、世の中を知り、世の中を考え、世の中をつくり出すチャンスと捉えてほしいとも述べられています。