校長ブログ

若い先生方の成長は学校の財産です

2024.03.18 クラブ・生徒・教職員紹介
3月18

 数学科の若手・K先生が、日本私学教育研究所の委託研究員として、『中学校高等学校の数学における「アウトプット学習」による思考力向上の開発と実践』という研究(1年間)に取り組み、東京での成果報告会にて発表されました。前年度、『3D物作りコンテンツの制作と情報発信による理系女子増加の可能性』を研究した情報科の若手・T先生に続き、2年連続です。

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 先生は、インプット活動とアウトプット活動をバランスよく組み合わせる授業を心掛けておられます。そして、本校が推進する個別最適化された学びに向けて、teachfacilitateをうまくすみわけして参加型の授業を展開されています。

 基礎学力の定着に主眼に置くインプット学習ではEdTech教材を活用して、自己調整学習に方向づけしています。アウトプット学習では、Why?を重視し、ポスターセッションやグループワークによる協働的な学びを通じて、数学に隊する興味・関心を与える取り組みを進められました。成果を期待したく思います。

 STEAM教育に代表されるように、今、理系人財の育成が求められています。教師が生徒を育てる環境づくりをするのと同時に、次代の学校を担う教師を育てることは学校を預かる者の最大のミッション。先生方のさらなる自己研鑽を推奨していきたく思います。

 私が本研究に携わる要因として、近年、女子学生の理系選択の割合が増え、高等学校で理系分野に特化した教育活動が活発化しているところにありました。大学が理工農系分野を拡充として、公立大と私立大が理系の学部や学科を新設、大学の理系転換へと移っており女子学生の理系進学の幅を広げる機会ではないかと考えました。

 本校でも医療系を中心に進学を目指し、理系選択をする生徒が年々増えてきている一方で、数学が苦手である生徒が多いことや医療系に比べて数理学系や工学系の大学に進学する生徒の数が少ないのが現状です。

 今回の研究では、特に数学という教科に対しての苦手克服に時間を割くのと同時に理系選択推進のため、インプット学習とアウトプット学習のバランスを重視することを考えました。

 授業内で正しい解法へのプロセスを考え、教え込む「インプット」の部分は生徒が基礎学力を身につけるため、ICT機器やAI教材として『Qureous』、『デキタス』で課題に取り組む自己調整学習、タイムマネージメントシートなどを用いて個別最適化(アダプティブ・ラーニング)への道筋を立てています。

 理数分野の学力と興味、関心を向上させるため生徒の「なぜ?」「どうして?」と「インプット」の部分で身につけた学力や知識と結び付け、「アウトプット」の部分は、ポスターセッションやグループワーク、理数探究などの取り組みでの分析や集計などにも挑戦しました。それ以外にも「理系女子を増やそう!」をデータサイエンス部の生徒と教員が協力し、ポリドロンやドミノ、他の数学の教具を用いた動画などを公式のSNSへの投稿も行いました。

 本研究が生徒自身の創造する力と表現する力の向上、数理探究への興味、関心と女子高校生の理系選択生徒の増加につながり、特に私立学校の中高一貫教育と女子校教育の発展となるように継続して取り組んでいきます。