校長ブログ

大学入試の変容

2025.05.03 大学進学研究

5月3日

 文科省は、高校と大学の関係者からなる『大学入学者選抜協議会』を開催し、その中で、大学側が総合型や学校推薦型選抜に関して、学力試験を年内実施し、小論文や面接などと組み合わせることを高校側に求め、今後、さらに協議を続けていくそうです。

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 総合型選抜と学校推薦型選抜は、通例、面接などを中心に人物重視で評価し、年内に合否が決定するため、年内入試と呼ばれているもの。早い段階で、進学先が内定するので、受験者は増え、大学にとっても学生確保のめどがつきやすいといった利点があります。

 しかし、入学後、成績が振るわない学生が増加しているという実態もあり、大学側にも学力も把握したいというニーズが出てきたわけです。実際、昨年、一部の大学では、年内に学力試験を実施したところもあり、高校側から一般選抜の前倒しとの指摘があったのは記憶に新しいところです。

 大学側は総合型や学校推薦型について、複数の評価方法を組み合わせ、多面的・総合的に評価するという原則に立ち返ることを求めています。その上で、高校が作成する調査書や推薦書に加え、小論文や面接、体力テストといった実技検査などのうちから2種類以上を課して選抜するとしつつ、その一つとして、年内に学力試験を実施することを認めるよう求めたとのこと。また、過度な負担にならないように、学力試験は基礎的な内容に限定するといった配慮も盛り込んでいます。

 高校側からも多面的な評価の一つとして用いられる以上、強い反論はなかったそうです。基礎的な学力を把握したいという大学側の要望に対し、一定の理解を示しています。文科省は、協議会の結論を踏まえ、2026年度入学者向け入試に適用する「大学入学者選抜実施要項」をまとめ、6月には公表するそうです。