校長ブログ

カリキュラム・マネジメント論①

2025.05.13 カリキュラム・マネジメント

5月13日

 今回は教育学を専門にする大学教員との対話からです。

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M:校長先生の展開するカリキュラム・マネジメントの特性は、学校現場におけるカリキュラムの開発・運営・評価のプロセスを総合的に捉え、それを改善し続ける仕組みを構築する点だと思うのですが、基本概念をご教示いただけますでしょうか?

校長:カリキュラム・マネジメントを単なる教育課程の編成でなく、学校全体で教育の質を高めるための戦略的な取り組みとして位置づけています。目的は教育の質保証と継続的な改善を図ることです。

M:基本的な要素として、目的の明確化、PDCAサイクル、組織的なアプローチが肝のような気がしているのですが...

校長:その通りです。目的の明確化としては、教育の目的や目標を学校の教育理念と整合させた上で、学習指導要領の趣旨を踏まえ、学校の特色を活かしたカリキュラムを設計すること。PDCAサイクルにおける計画(Plan)段階ではデータと目標に基づいたシラバスをデザインし、実施(Do)段階では計画に従い授業を実践します。そして、評価(Check)の段階では学習成果や教育プロセスを評価し、改善(Act)段階では評価結果を基に改善策を講じるといった具合です。指導の改善につなげるには学校評価の指標も参考になりますね。

M:御校では、教員個々の取り組みではなく、学校、地域、保護者との協働による組織的なマネジメントが推進されているところが魅力なのですが、その中で、特に注力されていることがあればご教示ください。

校長: 探究的アプローチにつなげるために伝統的な教科ごとの学習だけでなく、教科横断的な学習を重視しているところです。例えば、英語と情報、家庭科、音楽、数学、理科を連携させたイマージョン授業がそうですね。探究は学年を超えた縦のつながりや同学年内の教科間のつながりを意識しています。つまり、学年や教科を超えた連携を推進し、情報共有の場を確保、教員同士が協働する文化を醸成しています。それは教師の負担を軽減することも直結します。(続く)