校長ブログ

カリキュラム・マネジメント論②

2025.05.14 カリキュラム・マネジメント

5月14日

 大学教員との対話第二弾です。

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M:御校の強みである英語教育についてはいかがですか?

校長:CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)に基づき、中高それぞれの目標を設定し、シラバス・デザインしています。例えば、Gコースですと、中学卒業時にA2レベル以上、高校卒業時にB1レベル以上というわかりやすい目標を立て、一貫した指導を実践しています。英語科に申し上げたのは、コミュニケーション・ツールとしての英語、併せて、大学入試に対応できる英語に習熟させてほしいということだけです。

M:ハイレベルですね。

校長:指導の基本線ですね。人事面ではネイティブ教員を10名以上にし、今年からネイティブが単独で4技能5領域を指導する時間を設定しました。年2回は『グローバル探究キャンプ』という無学年で探究課題に取り組んだり、校内模擬国連を設定したりと工夫しています。内外の教育機関と連携し、これまで、中国、ベトナム、インド、トルコ、イタリアなどとオンライン交流も行ってきました。  

M:新校名に値するグローバルぶりですね。授業評価とフィードバックはどのようにしているのですか?

校長:どの教科でも学習履歴をデータ化し、教員が効率的に指導の改善を行えるよう支援しています。データ分析を徹底することによって、生徒の理解度を可視化でき、個別最適な指導が可能になるのです。

M:評判通りの精度の高さですね。実践的なカリキュラム・マネジメントの手法についてコメントしていただいてもよろしいでしょうか?

校長:カリキュラム・デザインの最適化の意味で、逆向き設計(Backward Design)を活用し、まずは育てたい資質・能力を明確にし、それに基づいて学習活動や評価を設計していきます。授業はスパイラル式とし、重要な概念を反復学習し、学年が進むにつれて理解を深めるようにしています。本校では、生徒は振り返りの時間としてリフレクション・アワー、担任のコーチング、教師は研究授業、定期考査分析会や模試分析会を定期的に行い、教師同士が互いの情報を共有することで、教育の質を向上させています。

M:校長先生はサラッとおっしゃっていますが、凄いことだと思います。その中でどのように授業改善を試みられているのですか?

校長:教師自身が授業を振り返り、改善策を検討するアクションリサーチを推進しています。授業研究(Lesson Study)による資質向上も進めています。また、教科によってはルーブリック評価を活用し、学習成果を具体的に可視化したり、ポートフォリオ評価を導入して学習者の成長過程を記録したりしています。(続く)