校長ブログ
高校で学ぶ意義
2025.05.30
入試情報
5月30日
今回は、受験生の保護者との対話の一コマから。内容は、高校生活で大切にしてほしいポイントについてです。
保護者:うちの子供ですが、高校に入ったらどのように学び、どのように活動すればよいのか、いろいろ悩んでいるようです。アドバイスをお願いします。
校長:本校の生徒に、高1の時に知っておきたかったことを尋ねたところ、多かったのが、多様な価値観との出会いが自分の成長につながったということでした。
保護者:なるほど。わかります。
校長:高校には、多様な生徒たちが集ってきます。特に、本校では海外ルーツの生徒も少なくありません。他の生徒が授業中に投げかけた質問にハッと気づかさせれたり、自分にはなかった意見に刺激を受けたりする機会があるのではないでしょうか?
保護者:確かに。そうしたやりとりの中に、学びのヒントがあるということですね。
校長:ええ。インターネットで情報を調べる際にもその姿勢は役立ちます。ある生徒が、検索した結果が似通ってしまうときこそ、批判的な分析など、別の視点を探すようにしていると言っていました。
保護者:クレバーな生徒さんだと思います。異なる角度から情報を見ることで、真偽を見極める力が養われていくのですね。
校長:そうです。本校に入った生徒には中学であれ、高校であれ、一番興味がある分野をとことん伸ばし、それを活用して社会で活躍できる道を見つけ、大学に行くならさらにそのスキルを磨けると教えています。
受験生:とても大切なことだと思います。大学に入ることを目的にするのではなく、社会で通用する本物の力をつけなさいとおっしゃっているのですね。私たち親子が最も魅力を感じているところです。
校長:生徒が描く夢は、一人ひとり違います。高校生活の先には様々な道が広がっています。その中で、どうすれば夢に近づけるのか悩むこともあるでしょうが、大切なのは最初の一歩を踏み出すことです。
保護者:叶えたい目標を見つけ、小さくてもよいから動き出そうとおっしゃっていることは親としても共感します。
校長:自分で決めた行動なら、たとえ失敗しても必ず自信につながるはずです。また、やらなかったことの後悔の方がずっと大きいという声もあります。いずれにせよ、限られた時間の中で、挑戦するのがスタートラインですね。
保護者:自分から動き、新たなる出会いを得ることで、将来の働き方を真剣に考えるきっかけになると思います。
校長:進路の答えはすぐに見つからなくても今できることに一つひとつ取り組むことで必ず道は開けるでしょう。実際、将来像を描くために学び、考え、ときには周囲の意見にも耳を傾けながら軌道修正をして歩んでいけばよいのです。
保護者:勇気づけられるお言葉です。夢の実現に向けた最初のステップは何でしょうか?
校長:やはり授業への積極的な参加につきますね。授業は知への誘い、つまり、学びの姿勢を広げるのです。授業がすべてと言われる所以ですね。面白い授業なら家族や友人に話すでしょうし、それが理解を深め、また新たな問いが生まれてくる源になるのです。
保護者:この循環が、生徒個々の成長につながるのですね。
校長:はい。先生の中には授業後に感じたことや考えたことを短くまとめる作業をされる方もいますが、これは思考を整理し、言語化するトレーニングになるのです。
保護者:おっしゃる通りです。自分の考えをまとめ、それを相手に伝える力は、社会に出てからも必要不可欠です。
校長:社会は今、めまぐるしく変化しています。国際情勢、AIや科学技術の進化、環境問題など、正解のない問いに向き合わねばならない時代に生きている以上、考える力や伝える力は、学習指導要領でいう思考、判断、表現に直結し、まさに生きる力そのものです。高校で学ぶことは、知識を得るだけでなく、人生と向き合い、どう生きるのか、何を大切にしたいのかを考える機会でもあります。こうした問いに向き合いながら、自身の夢を育てていくことこそ、高校生活の醍醐味ではないでしょうか?
保護者:大学生活にもつながることだと思います。
校長:高校生活は、これからの人生をデザインしていくための大切な時間ですから、夢を描き、挑戦し、時には失敗しながら、自分の歩幅で歩んでいってほしいと思います。教職員一同、生徒が安心して学び、挑戦できる環境づくりを全力でサポートしていきます。スクールライフが、実り多きものになることを願っています。
保護者:ありがとうございました。たいへん有意義な時間を頂戴しました。御校の人気が毎年、上がっているのがよくわかりました。改めて御礼申し上げます。是非、校長ブログで紹介してくださいませ。
|