校長ブログ
高度外国人材子弟の教育環境整備に係る調査研究事業
2025.06.02
グローバル教育
6月2日
学院が「外国人材に選ばれる教育インフラの創造ー国際都市神戸を基盤とする高度外国人材子弟の総合的キャリア支援ー」という取り組みで、文科省から『高度外国人材子弟の教育環境整備に係る調査研究事業』に採択されました。具体的には、関西国際大学、本校とマリスト・ブラザーズ・インターナショナルスクールが連携し、さらに、神戸市、神戸市教育委員会事務局(こども日本語サポートひろば等)、神戸国際コミュニティセンターなど、関係各所の支援・協力を得ながら、発展させていきます。
すでに、基礎調査として、外国ルーツ生徒の保護者を対象とするアンケートと個別ヒアリングを実施しました。これまで関西国際大学が構築してきたオンデマンド教材開発のノウハウを活かし、外国ルーツの児童・生徒向けに教材を開発しています。第一フェーズとしては、基本的な日本語の習得を目標として、日本語能力試験(JLPT)のN5レベルの取得を目指す教材を作成。小学生高学年からの利用を想定し、1単元当たり15分程度の長さとし、80本の教材と10回のテスト問題を組み合わせ、ひらがな、カタカナ、日常用いられる漢字などを学習し、基本的な日本語の習得を目標としています。
併せて、内外の大学などへの進学を見据えたキャリア・ガイダンス、個別キャリア・カウンセリングを実施していきます。また、生徒のキャリア目標、学習履歴などはポートフォリオシステムに登録し、教科ごとにルーブリックに基づく学習成果分析を行い、進捗をモニタリングします。そして、それらのデータをもとに、子供や保護者に対しカウンセリングを実施し、教育、生活、進路などに関わる相談に対応するといった流れです。
現在、外国ルーツの生徒が地域のグローバル化に貢献する「グローカル人材」として成長する教育体制の確立を目途とし、本校の海外ルーツの生徒やインターナショナルスクールの生徒などを交えた、対面のサマープログラムが計画されています。
日本の社会や⽂化への理解促進は、外国人材子弟が日本社会に馴染んでいく上で大切であるだけでなく、自国⽂化への理解やセルフエスティームを高める上でも有効です。さらに、外国人材子弟にとって⽂化的な多様性を深めることは、進学や将来の就職等のキャリア形成においても、重要な意義をもっています。