校長ブログ
教員の資質向上②
2025.06.14
カリキュラム・マネジメント
6月14日
前回の続きで、教育の能力開発についてインタビューからの抜粋です。
M氏:今年度はどのようなテーマで進められているのでしょうか?
校長:数学科のS先生が「理数系科目における英語イマージョン教育の実践とその学習効果」というテーマに挑んでいます。授業内で英語を使って数学的概念を説明したり、対話を行ったりする取り組みです。
M氏:数学を英語で学ぶ──それはまた、非常に意欲的な試みですね。イマージョン教育とは、特定の教科内容を学びながら外国語も同時に習得する方法ですよね?
校長:そうです。本校では以前から英語教育には力を入れてきましたが、今回は数学を英語で教えるという挑戦を始めています。具体的には、中学段階では身近な数学的事象を英語で話し合い、高校段階では英語で数学用語や表現を定着させ、応用問題にも取り組む予定です。
M氏:生徒にとっても教師にとっても、大きなチャレンジですね。どのように取り組みを支えていこうと考えておられるのでしょうか?
校長:数学科全体で教材の英語化、授業中の簡易英語コミュニケーション、ペア・グループワークの英語化など、具体的な実践案を検討しています。また、生徒の英語運用能力に応じた段階的な導入モデルを作成し、無理のないステップで挑戦できるようにしています。大切なのは、先生方の自主性に他なりません。私はそれが実現できるように「交通整理」しているだけですよ。
M氏:素晴らしいですね。この取り組みによって、生徒たちにどのような力を期待されているのですか?
校長:英語と数学という異なる認知領域を同時に活性化することで、思考力、集中力、応用力の向上が期待できます。さらに、グローバル社会において求められる論理的思考力と英語による表現力、これらを高めることができます。国際会議やグローバル企業で求められるスキルにも直結しますし、海外大学進学を目指す生徒にとっても大きな強みになるはずです。
M氏:まさに世界標準の教育ですね。一方で、難しさを感じる生徒も出てくるのではないでしょうか?
校長:もちろんです。ですから、ICTによる個別最適な学びを組み込みつつ、段階的に導入し、難しいけれど面白いと感じられる心を育てていきたいと思っています。本校には「挑戦を楽しむ文化」があります。これまでの情報、数学、理科の研究を通して、生徒も教師も「できないかもしれない」を「やってみよう」に変えてきました。この文化こそが本校の強みだと考えています。
M氏:御校の人気が上がっている所以ですね。「挑戦を楽しむ文化」が、教員の能力開発にも直結しているのがよくわかりました。
校長:ありがとうございます。教員自身が挑戦し続けることで、生徒たちにも大きな影響を与えることは自明です。だからこそ、挑戦する教員を全力で支援しているのです。今年も研究授業や公開授業も積極的に行い、外部への発信も強化していきますので、よろしければご参加ください。
M氏:ありがとうございます。是非。素晴らしい方針をお聞きしてこちらがワクワクします。教育現場における「学び続ける姿勢」を示すことが、これからの時代、ますます重要になると思います。教員の能力開発に取り組もうとしている全国の学校関係者に向けて、メッセージをいただけますでしょうか?
校長:教員の能力開発は、個人の努力だけではなく、組織としての文化づくりが不可欠です。失敗を恐れず、挑戦を応援する雰囲気をつくること。その中で、小さな成功体験を積み重ねることが大切だと思います。教員が挑戦し、成長し続ける学校は、必ず生徒たちも大きく育つと信じて共に頑張りましょう。
M氏:校長先生がいつもおっしゃる「学校の主役は生徒。支えるのは教員」のビリーフを改めて学ばせていただきました。本日は貴重なお話をありがとうございました!引き続き、よろしくお願いします。
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