校長ブログ
シェア図書館から広がる文化の輪
2025.11.20
クラブ・生徒・教職員紹介
11月20日
本校では、地域に開かれた学校づくりをめざし、今年からその一環として国語科を中心に「シェア図書館」という取り組みを始めました。これは、図書館を単なる読書の場としてではなく、日本文化の魅力を地域と共有し、共に学び合う空間として開いていこうという試みです。
「シェア図書館」という名前には、「本を通して、文化や想いを分かち合う」という願いが込められています。生徒と地域の方々が本をきっかけに出会い、語り合い、学びを深める。その対話の中で、日本の伝統や美意識を新たな視点で捉え直すことができる場を目指しています。
今年度は、広報部、中国語部、そしてネイティブの先生方も協働し、回を重ねるごとに活動の幅が広がっています。第1回は、日本文化の基礎を学んだ後、「しつらえ」(空間や物を季節や場面にふさわしく整えること)をテーマに、玄関を彩る飾りを制作しました。第2回は、日本の伝統行事「七夕」について学び、短冊や笹飾りづくりを体験しました。第3回は、日本の伝統模様の意味を理解した上で、自分だけの「うちわ」を作成。模様のひとつひとつに込められた願いや祈りを知ることで、文化の奥行きを実感しました。
第4回では「秋の月と日本文化」をテーマに、十五夜にちなんだ「しおり」を制作。第5回では「秋の実りと感謝」を題材に、秋の果物をモチーフにしたガーランド作りに取り組みました。作品づくりを通して、自然の恵みに感謝する気持ちを改めて感じる時間となり、生徒たちの表情にも穏やかな充実感が広がりました。
「シェア図書館」は、学びを共有し、文化をつなぐ新しい形のコミュニティです。本や手仕事を介して、人と人、世代と世代が出会い、そこから新しい発見や対話が生まれていきます。地域とともに学び、創り出すこの活動が、生徒たちにとって"文化を生きる力"を育む場になっていることを嬉しく思います。「神戸から日本文化の発信を!」を合言葉に、これからも「シェア図書館」を、季節の移ろいや日本の心を感じながら、地域と共に育てていきたいと考えています。