校長ブログ
振り返りは未来をつくる学び ― 自己調整学習の視点から ―
2025.12.30
カリキュラム・マネジメント
12月30日
年の瀬を迎え、1年間の歩みを振り返る時期となりました。本校ではこの振り返りを、単なる反省や記録の整理ではなく、次のステージへと自分を導く学びのプロセスとして位置づけています。
その背景にあるのが自己調整学習(Self-Regulated Learning)という考え方。これは、学習者が自ら目標を立て、計画し、実行し、そして振り返りながら学び方を改善していく力を指します。言い換えれば、自分の学びを自分でデザインする力です。社会が急速に変化する今、与えられた課題をこなすだけではなく、自ら問いを立て、他者と協働しながら新しい価値を生み出す力こそが求められています。その基盤となるのが、この振り返りという営みなのです。
生徒たちはこの一年、多様な学びに挑戦してきました。順調に成果を出せたこともあれば、試行錯誤を重ねた経験もあるでしょう。しかし、重要なのは結果の成否ではなく、そこから何を学び、次にどうつなげるかです。振り返りは、過去を評価する作業ではなく、未来を設計するための自己との対話なのです。
自己調整学習の理論では、学びの過程を計画 → 実行 → 省察のサイクルとして捉えます。1年の振り返りもこの省察の段階にあたり、生徒にはポートフォリオや学習ログを用いて、自身の成長を可視化するよう助言しています。そして担任との対話を通して、次年度に向けた新たな目標を設定します。ここでの教師の役割は、評価者ではなく、伴走者として生徒の内省を支えることにあります。
振り返りとは、過去を整理することではなく、自分の中に積み重なった学びの軌跡を見つめ直すこと。それが次の挑戦へのエネルギーになります。自己調整できる学習者は、環境が変わっても成長を止めません。年の終わりに、自らの歩みを静かに見つめる時間をもつことが、未来ある新たなる1年を切り拓く第一歩になると確信しています。