校長ブログ

eラーニングとAI

2026.01.28 EdTech教育

1月28

 近年、法人向けeラーニングの領域でAIの活用が急速に広がっています。リスキリング需要の高まりを背景に、学びを個別化し、実践に接続するための技術としてAIが存在感を強めています。産業能率大学総合研究所の調査(2024)によると、企業内で使っている教育手段はeラーニングが75%と最多であり、増加傾向、外部講師による集合研修は同11ポイント減の71%とのこと。

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 グロービスは、講義動画に対話型AIパートナーを全面導入し、受講者が疑問点を即時に質問できる環境を整えました。学習中のアウトプットにもAIが伴走し、自由記述の回答に対してフィードバックを返す仕組みは、従来の動画視聴型学習の弱点を補うものです。動画を見るだけでは学びが定着しないという課題に対し、AIとの対話を通した能動的学習を促す点は大きな前進だと感じます。

 また、ヒューマンアカデミーが開発した「AIマンダラチャート」も注目すべき動きです。目標を入力すると、必要なスキルと具体的な行動を64項目に整理して提示してくれます。自己課題の可視化は教育の根幹ですが、それをAIが客観的に示すことで、学習者の自律性をさらに高める可能性があります。

 一方、ベネッセのUdemyでは、商談や部下面談などを想定したAIロールプレーが導入され、実践的な場面を再現した学びが可能になりました。管理職研修の負担軽減や、現場に近い形でのスキル習得につながる点は、学校現場でのシミュレーション学習にも通じる発想です。

 法人向けeラーニング市場は今後も拡大が見込まれていますが、単に効率を追求するだけでは学びは根付きません。大切なのは、学習者のモチベーションが持続する設計と現場で使える知識への転換です。AIはその両方を支える強力なツールとなり得ます。

 労働人口の減少が見込まれるなか、政府は従業員のリスキリングを後押しする企業への支援制度を打ち出しています。リスキリング投資の費用対効果が課題とされる今こそ、AIを活用した個別最適化学習、そして実践につながるカリキュラム・デザインが求められています。学校教育においても、こうした潮流から学ぶべき点は多く、私自身も改めて学習者に寄り添うテクノロジー活用の重要性を感じています。