校長ブログ
新春対談② ー英語教育の未来を拓く
2026.01.03
カリキュラム・マネジメント
1月3日
英語教育の専門家である大学教授との対談からの一コマです。
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教授:本日は、御校での英語教育の実践と今後の展望についてお話を伺いしたく存じます。まず、「英語を学ぶ」から「英語で学ぶ」への転換が進んでいると聞きます。この方向性をどのように進めていかれるのでしょうか?
校長:これまでの本校の英語教育は、文法や語彙の習得を中心に英語そのものを学ぶことが中心であった感があります。しかし、今では「英語を使って学ぶ」ことに主眼を置いています。すでに情報、数学、理科などでは、英語イマージョン授業を導入していますが、今後はさらに他教科での展開と、学びの「深さ」を焦点化していきたいと思っています。英語で思考し、他者と協働する経験を積み重ねることが、真のグローバル人材育成につながると考えています。
教授:まさに英語をツールとして使う力ですね。4技能の中でも、特に発信力・対話力の育成が全国的な課題と感じます。
校長:おっしゃる通りです。生徒の発表力を伸ばすため、英語暗唱大会などを行っていますが、今後はそれを発展させ、ディベートやプレゼンテーション、国際的なフォーラムへの参加を拡充していきます。すでに、オンライン交流を通じて、アジア諸国の生徒と共同プロジェクトに取り組むプログラムを継続的に実施しています。最近では、フィリピンやインドとのオンラインPBLを通じて「英語+プログラミング」「英語+数学」のイマージョン協働を進めており、これは文科省の『EDU portニッポン応援プロジェクト』にもつながっています。
教授:先進的ですね。ICTを積極的に活用している点も特徴です。
校長:本校は「学習者用デジタル教科書」の実証校として、英語・数学・理科で導入を進めています。英語では録音機能や辞書リンクなどを使って、自分の発話を客観的に振り返る仕組みを整えていきたいと思います。今後はさらに、AIとの英会話練習やVR空間での英語活動など、ICTを英語を学ぶための補助ではなく、英語で学ぶための環境として設計していきたいと考えています。データ分析による学習の個別最適化も、カリキュラムマネジメントの視点から精度を上げていく予定です。
教授:なるほど。英語教育とDX教育の融合ですね。もう一つ注目したいのが、自己調整型学習やメタ言語能力の育成というところです。
校長:生徒が自らの学びを見える化し、振り返り、次の行動につなげるというプロセスが英語力を根本から支えます。本校では、英語学習ポートフォリオやスピーキング録音などを活用し、生徒自身が自分の成長をモニタリングする仕組みを整えていきます。また、教師・ネイティブ・日本人教員が協働してルーブリックを用い、自己評価と他者評価を組み合わせることで、学びを定量的にも捉えています。こうした学びの省察が、言語運用力を確実に高めるのです。
教授:たいへん勉強になります。大学教育でも、CEFRを基準にした英語力評価や、探究・発信を重視する流れが強まっています。高校段階でその基盤をつくることは極めて意義深いですね。
校長:ありがとうございます。本校では、高校卒業時にCEFR B2レベル、つまり英検準1級相当の英語力を目指しています。しかし、単にスコアを上げるのではなく、英語で何をするかを重視しています。例えば、英語による研究発表や海外の中高との連携授業、国際インターンシップなどを通じて、生徒が英語を社会的実践として活用できるよう支援していきたいと思っています。
教授:まさに、英語で学び、世界と協働し、社会に発信するビジョンの実践ですね。
校長:そのためには、英語教育を学校全体のカリキュラムマネジメントの中核に据えることが不可欠です。CEFRを基盤に段階的な育成を設計しつつ、探究・協働・発信の要素を統合していく。これが、次世代の英語教育モデルになると考えています。
教授:御校のような取り組みが、全国の英語教育改革を牽引する事例になると思います。今日は貴重なお話をありがとうございました。期待通りでした。
校長:こちらこそ、ありがとうございました。今後も英語で未来を創る学びを追求していきたいと思います。
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