校長ブログ

英語教育を考える㊳ーやりとりの中で、英語を伸ばす

2026.01.08 教科研究

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 今回は中3生、高1生、高2生との対談からです。

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校長:今日はみんなと、英語の授業について少し話したいと思うんだ。最近、授業でペアワークやグループディスカッションが増えてきたけど、どう感じているかな?

生徒A:最初はちょっと緊張しました。でも、相手の話を聞いて「え?それってどういう意味?」って聞き返したりするうちに、だんだん楽しくなってきました。

生徒B:私は、ペアで話しているときに、言いたいことがうまく出てこなくて困ることがあります。でも、相手が助けてくれたり、別の言い方を教えてくれたりして、「なるほど!」って思う瞬間があります。

校長:それこそが英語力を伸ばす瞬間なんだよ。実はね、そこには「インタラクション仮説」という理論が関係しているんだ。マイケル・ロングという研究者が提唱したもので、人とのやりとりの中で、意味を交わし合うことが言語習得を促すっていう考え方なんだよ。

生徒C:「意味を交わし合う」って、どういうことですか?

校長:例えば、相手の言ったことがわからないときに、Sorry, could you say that again?とか、Do you mean?と聞き返したりするでしょう。あるいは、自分の言ったことが伝わらなかったときに、言い方を変えて、In other words...と説明し直す。そうやってお互いに理解を調整することを意味交渉(negotiation of meaning)って言うんだよ。

生徒A:あ、確かに。授業で「もう一回言って」って聞く練習をしたことがあります。それって、ただのフレーズ練習じゃなくて、理論的な意味があるんですね!

校長:そうなんだよ。英語を"正しく"話すよりも、相手と理解し合おうとする気持ちのほうが大事なんだ。だって、伝えようとする瞬間に、脳が一番活発に働くんだよ。

生徒B:確かに、間違えてもよいから話してみようって気持ちになると、どんどん言葉が出てくる気がします。

校長:それが一番大切だね。本校の英語の授業は、"完璧な"英語というよりは、"Meaningful Communication"をめざしているんだよ。意味のあるやりとりの中でこそ、英語は生きた言葉になるからね。

生徒C:友達と話しているときに、「こう言えばもっと伝わるな」って気づくことが増えました。それって、教科書では学べない感覚ですよね。

校長:その通り。教科書は素材に過ぎないんだ。英語は人との関係の中で育つんだよ。だから、授業でも「聞き返す」「言い換える」「確認する」っていうやりとりをたくさん経験してほしいんだ。

生徒A:最初は英語で聞き返すのが恥ずかしかったけど、今は「聞き返すことが大事なんだ」って思えるようになりました。

校長:それは素晴らしい変化だね。間違いや聞き返しを恐れず、コミュニケーションを続けようとする姿勢こそが、本当の英語力を育てるんだよ。

生徒B:これからは、話すときに「伝え合うこと」をもっと意識してみます!

校長:そうだね。英語は知識じゃなくて、人と心を通わせる力なんだ。みんなの中に、その力が確かに育ってきているよ。